熟練スタッフによる丁寧なポルトガル語翻訳、ネイティブスタッフによる確かなポルトガル語校正

トップページ | ポルトガル語圏の情報 | ポルトガル語翻訳に関するエッセイ | 直前のページに戻る


実用を考えたポルトガル語翻訳

ひまわり
By @n@bou (CC)

ブラジルでポルトガル語から日本語への翻訳を行ったときのことだ。基調講演のようなスピーチのビデオを見てテープ起こしをし、その内容を日本語に文書化するというものだった。
細かい内容は忘れたが、講演を行っているのはブラジル人で、話している言語はもちろんポルトガル語。ただし、やたらと英単語を交えての講演だったことを覚えている。発言はすべてポルトガル語であって、英語で話しているわけではない。おそらく英語を話せる人であり、聴衆に外国人がいることを意識したのか、単に癖であったのか、とにかく英単語がしきりに登場した。
ブラジルはポルトガルから独立し、ポルトガルを宗主国として仰いでいた国でもある。移民政策による受け入れも、その多くはポルトガルを始め、欧州各国が中心だった。だが、南米がアメリカの裏庭と言われて久しい。知識階級はもちろん英語学習に精を出すし、学歴の高いブラジル人ならほぼ確実に英語を使いこなす。まさか教養の高さを誇示するためではなかろうが、特に外国人と会話するときなどは、国際語として流通しているものを中心に英単語を意図的に使っているようだ。
しかし、そうした意図がなくとも、コンピューター用語に関してはどうしても英語をそのまま使うことが多いし、一般にそのほうが便利なのも事実だ。冒頭のテープ起こしのときも、引っ掛かった言葉はIT関連用語が多かったように思う。

ただ何よりも悩まされたのは、ブラジル人特有の発音である。ポルトガル本国との発音の決定的な違いの1つは、ブラジルでは発音が強いということだ。ときに本国とはまったく違う音になり、語尾にそれが顕著に現れることが多い。例えばINPUTという単語なら、我々日本人の場合、語尾のTに母音のOをくっつけてINPUTTOのように発音する。これをブラジルではOの代わりにIをくっつけ、なおかつTを極限まで強く発音しようとするからインプッチと聞こえてしまう。OUTPUTならアウチプッチだ。文字で見ていたら簡単に想像ができる単語なのに、耳で聞いたらそんなポルトガル語があったのだろうかとまずは悩み、次に元はどんな英単語なのかと考えなくてはならなかった。
国旗
By
Rochelle Hartman (CC)
日本語の場合、INPUTを「インプット」としようが「入力」としようがどちらでも意味はわかる。ただ、状況と内容に応じて使い分けることも必要となってくる。では、ポルトガル語の場合、どんな使い分けができるのだろうか。そして、よりわかりやすい表現はどちらなのだろうか。さらに、ブラジルでの用法とポルトガルでの用法では違いがあるのかないのか。ポルトガル語翻訳ではそうしたことまで考えるべきである。

母国語を使える人物であるからといって、必ずしもその言語に精通しているとは限らない。ブラジル人とポルトガル人が会話する場合なら、多少の発音の違いや言い回しの相違を修正するだけで事足りるかもしれない。しかし、翻訳文の場合は注意が必要だ。ブラジル向けの文章をそのままポルトガル向けにあてはめようとしても、100%完璧とはならない。とするならば、やはりそこに読み手を考慮した校正者の存在が重要となってくる。

日本語は方言が多いとはいうものの、それは話し言葉においての話。書き言葉においてはほぼ共通といっていい。ブラジルで使われるポルトガル語からの翻訳でも、ポルトガル本国文からの翻訳でも、どちらも1つの日本語で済ませられるというのはありがたいことだ。


エクスコムシステム・ランゲージ・サービス

メールで問合せ honyaku@excom-system.com
( 日本語 ・ 英語対応可能 )


▲ページの先頭へ



エクスコムシステム・ランゲージ・サービス Copyright 2014無断転載禁止。