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医薬、医学翻訳経験から得られた私なりの「発見」と翻訳に「求められるもの」

ニューロン
By Rebecca
Radcliff (CC)

医薬、医学翻訳と言っても様々な分野に細分されるだろうが、私の場合、過去6年間、主に予防医学 ( 栄養療法 ) と言われる分野で英和翻訳を行うことで、英語圏特に米国からの書籍、カタログ、インターネットなどから情報収集をすることが出来た。

日本にも 「 医食同源 」 に代表される 「 東洋医学 」 に対し、「 科学万能主義 」と 批判される事も多い 「 西洋医学 」 が存在する。ただ、深く研究していくと、その両方の強みを上手く統合することで、ガンをはじめとする生活習慣病などとも充分闘えることを、翻訳を通じて知ることができた。

私が医薬、医療翻訳を本格的にする前は、単純で無知とも言えるステレオタイプな物の見方をしていた。つまり、「 西洋医学 」 は、薬やメスを使った、絆創膏的な対症療法によるもので、「 東洋医学 」 は、漢方など使って、根治を目指す。従って、前者は 「 副作用 」 が伴い、後者にはそれがない。

ベット
By Valerie Everett (CC)
これはまるで妄信もいいところだが、私が英和医学翻訳を通じて知り得た予防医学という分野は、極めて 「 健康的な考え方 」 をしていたのだ。ライフスタイル、とりわけビタミン、ミネラル等、微量栄養素をバランス良く含む、野菜や果物が豊富な食生活と適度な運動、ストレスマネジメントによって、かなりの病気は予防可能ではある。しかし、例えば、ガンその他の難病 ( もしくは生活習慣病 ) に万一罹った場合、「 西洋医学 」 を退ける ( あたかも 「 祈祷療法 」 で直そうかの如く )、もしくはやみくもに依存するのではなく、その医薬、医療による効果、効能 ( もしくは弊害 ) をきちんと理解し、賢く 「 併用 」 して行く、と考える。「 白 」 か 「 黒 」、どちらかの二者択一ではない、ということだ。

これは、医薬、医学翻訳を通して得られた貴重な 「 発見 」 であった。日本語だけの文献、又はインターネットからの情報は決して充分とは言えない。翻訳をすることで、医薬、医療、そして予防医学の最新情報が学べ、英語を使わず日本語のみを母語とする多くの読み手へと伝えて行くことが可能だ。

理学療法
By Dave Mcmt (CC)
今までの翻訳経験を通して、英和翻訳に求められるものを述べてみたい。それは、第一に、原文の用語、文意を正しく理解すること、第二に、それを 「 翻して 」 出来るだけ読みやすい、こなれた 「 訳文 」 とすること。理想を言えば、これが翻訳文であることが読み手には決してわからないような。これらは必須条件となろう。もし、第三に、(「 翻訳 」 者である私の欲を言えば ) 原文から読み取れる、筆者の ( これが翻訳者では、創作になってしまうので禁であるが!)「 思い 」、それは読者に伝えたいという切なる願いかもしれないし、新たな発見への驚きかもしれないが、そうした人間 ( ロボットが書いたものを機械翻訳が訳すかの如く、ただ英語が日本語に 「 無味乾燥に 」 置き換えられてはいない)の 「 思い 」 というものが伝わるような、そんな英和翻訳をこれからもしていきたい ( 和英翻訳も全く一緒である )。人間の健康、QOL ( 生活の質 )、本人だけでなく、本人に関わる多くの人々の人生そのものに大きく貢献出来る医薬、医学翻訳。急速に進歩する科学、そして益々広がる対象範囲と共に、今後も医薬、医学翻訳の存在意義と需要は計り知れない。


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