イタリア語翻訳 ( 日本語 ⇔ イタリア語 )、ネイティブチェック、英伊、伊英、和伊 ( 伊和 ) 翻訳


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イタリア語翻訳 : 文章家としての言葉づかい

キッチン
By Alessandro Pucci (CC)


イタリア語翻訳に携わっていて、ふとしたときにごく簡単な言葉づかいの翻訳に悩むことがある。英語から日本語への翻訳を示す日本語なら英和翻訳で、その逆なら和英翻訳となる。ではイタリア語から日本語への翻訳、そしてその逆をなんと呼んだらよいのか。

英和 ・ 和英の伝でいけば、伊和 ・ 和伊が正解となるだろう。だが和伊と聞いて、日本語からイタリア語への翻訳を指していると、どれほどの人が理解できるだろうか。

まず伊という言葉について考えてみる。これはイタリアを漢字で伊太利亜と当て字していることから、その頭文字をとっているのであり、英吉利と書いてイギリスと読ませることから 「 英 」 語と読んでいるのと同じ発想に基づいている。つまりイタリア語は 「 伊 」語というわけだ。
しかし通常の会話文で伊語という言葉はほとんど使わない。「 英語 」 は日本語の言葉として定着しているが、「 伊語 」 はそうではない。「 イタリア語 」 と呼ぶのが普通だろう。けれど文書でイタリア語日本語翻訳などと長ったらしい言葉は使いづらい。このため略称を使った伊和翻訳という言葉を使わざるを得なくなってしまう。

突き詰めて考えていくと、日本語のことをなぜ 「 和 」 と称するのか。倭 ( わ ) の発音や、大和が語源になっているのは間違いないが、和語という言葉そのものも口語ではまず使わない。これではイタリア語翻訳を始める前に、何語から何語への翻訳なのかを示す言葉でつまづいてしまいそうだ。

実際にインターネットで検索してみると、イタリア語翻訳に際して伊日 ・ 日伊という言葉も多く現れることに気付く。たしかに日伊という言葉は存在し、私的なイタリア語の語学学校や日本とイタリア間の外交を始めとする交流の場ではこれが使われる。従ってイタリア語翻訳においても、日伊翻訳という言葉を使っても差支えないように思えてくる。

ところが言語学上では、イタリア語翻訳にはあくまでも伊和 ・ 和伊という言葉を使うのが常識であり、そのために伊和辞典や和伊辞書なら存在するが、伊日辞典も日伊辞書もありえなくなってしまう。

日本人なら言葉のいくつかを取り上げて全体の意味を把握することには慣れている。高等学校のことを高校と呼んで全く違和感が無かったり、自由民主党のことはもはや自民党が正式名称だと思えてしまっていたり。だから伊日翻訳と言われたら、イタリア語から日本語への翻訳であると素直に読み取ることができる。

イタリア語翻訳に当たっては、直訳であろうが意訳であろうが、内容を正しく伝える翻訳でなくてはならないのは当然だ。しかしそれにとらわれすぎてもいけない。読み手が確実に理解し、かつ読みやすくなる文章で表現することが求められるからだ。翻訳作業とは別に、翻訳者は何よりもまず、言葉づかいに最新の注意を払う文章家であることが大切であると感じている。


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イタリア語一口メモ  

イタリア生まれの有名人(?)の一人にピノッキオ ( Pinocchio ) がいます。イタリアの童話作家コッローディの作品「ピノッキオの冒険」の主人公として誕生し、世界中で人気者となりました。松の木材から作られたという設定なのですが、ピノッキオの名前は松 ( pino ) を基にして考えられたことがその名前からわかります。





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