イタリア語翻訳 ( 日本語 ⇔ イタリア語 )、ネイティブチェック、英伊、伊英、和伊 ( 伊和 ) 翻訳


トップページ | イタリア語圏の情報 | イタリア語翻訳に関するエッセイ | 直前のページに戻る

イタリア語翻訳 : 日本マンガの特徴

ピエロ
By Alan L (CC)


マンガのイタリア語翻訳というと、「 擬音語や擬態語ばかりで簡単 」 …という印象を受ける人が多いのではないかと思う。確かにそういう作品もあることは否めない。しかし、非常に長いマンガ文化の歴史を持つ日本で今日刊行される作品のジャンルは多様化しており、少年マンガ・少女マンガという大別以外に、アクション、コメディー、シリアスもの、歴史もの、学園もの、SFなど、扱われるテーマも様々だ。

イタリアでマンガの本格的なイタリア語翻訳が始まったのは15年前。最初に翻訳された作品は少年ものが中心だったが、日本でのマンガ発展の歴史と同様、やがて少女ものの刊行が始まり、扱われるテーマも徐々に多様化してきた。最新の作品は日本とほぼ同時進行に近くなってきており、クラシックな作品から 「 ボーイズラブ 」 に至るまで、様々な作品が刊行されている。

マンガのイタリア語翻訳と一口で言っても作品により扱われているテーマが多岐に渡るため、各分野の専門用語を地道に調べることが必要となってくる。特に自分の専門外のテーマを扱った作品の場合は ( 例えばカーレースがテーマの作品など )、大本の日本語自体の意味を調べることから始めなければならないこともある。こうした翻訳作業は一般文書の翻訳の場合と大きな違いはないが、マンガの翻訳に特有な傾向もいくつかある。

まずは、擬音語 ・ 擬態語の扱いだ。擬音語 ・ 擬態語に富むという日本語の性質が特に反映されているのがマンガ作品であることは周知の通り。幸いなことに、イタリアでは日本のマンガが翻訳 ・ 紹介され始める以前に、すでにアメコミ翻訳の伝統が確立していたため、基本的な擬音 ( 車のエンジン音、物が割れる音、軋み音、爆発音など ) は英語に従うことになっている。特殊な擬音についても基本的に英語の単語を探し、それでもしっくりとくる言葉が見つからない場合は原音の雰囲気が伝わるように子音を中心に工夫する。説明的な擬態語は適切なイタリア語に翻訳する。

次にマンガ作品には 「 たこ焼き 」 や 「 こたつ 」 など、日本特有の食べ物や文化に関する記述がごく自然に出てくる。マンガの普及のおかげでイタリアでも日本文化に関する理解が深まったのは確かだが、テレビ番組の 「 笑点 」 など、一般の日本人が普通に共有している知識が作品を理解するためのベースとして必要な場合、翻訳文に注記を添えることが欠かせない。マンガのイタリア語翻訳版出版に際しては、イタリア人編集者によるアダプト作業が入るため、編集スタッフが必要な注釈を加えやすいように、解説が不可欠と思われる単語には翻訳文に加えて可能なかぎり説明を加える。

そして一般文書や文芸作品などと比較して、マンガの中で圧倒的に使用頻度が高いのが 「 若者ことば 」。マンガ作品がターゲットとする読者層を考慮すれば当然のことなのだが、生活の基盤がイタリアにある私にとっては、日本国内で日々進化する若者特有の言葉遣いをリアルタイムで実感することは難しい。「 若者ことば 」と言ってもその原型は日本語であるため、例えば 「 キモい」や 「 さむい 」 など、発音から推測も可能なものもあるが、その言葉が使われている文脈やその他の用例を参考にしながら、一応確認を要する事項である。

最後に、マンガは作品の大半が会話から成り立っているため、登場人物の話す言葉が途中で途切れた格好になっている表現が多い、という特徴がある。 「 主語のみ 」 の記述でその後は省略・・・という場合はさほど問題はないが、日本語では 「 主語 ・ 目的語 ・ 述語 」という順序が普通のため、「 主語 ・ 目的語のみ 」の記述で後は省略・・・という表現が往々にしてある。しかしイタリア語では「 主語 ・ 動詞 ( 述語 )・ 目的語 」の順序が一般的なので、こういう場合はどうしても日本語で省略されている述語の部分を文脈から読み取り、補ってやる必要が出てくる。( この点は映画の字幕の翻訳にも共通することかもしれない。)

イタリアでマンガの翻訳出版が広まるとともに、 「 オタク 」、「 先輩 」、「 アニメ 」や「 ○○ちゃん 」 などの表現をそのままアルファベットで表記しても通用するようになってきている。しかし、熱狂的なマンガファンだけでなく、一般のイタリア人にも理解できるように、上記のマンガ翻訳の特徴を念頭に置きながら、イタリア語翻訳に取り組む努力をしている。



エクスコムシステム ランゲージ サービス

イタリア語翻訳、イタリア語文書校正などのお問い合わせ先 : honyaku@excom-system.com

( お支払いは日本国内の銀行口座へのお振込みを御利用いただけます。)

ELS は、翻訳 ( 和英翻訳、英和翻訳、多言語翻訳 )、英文校正 ( 英文添削 編集 リライト 校閲 プルーフリード ネイティブチェック プルーフリーディング )、ウェブデザイン、ネットスクールの英文ライティング指導 ( 自由英作文トレーニング 作成 書き方 指導 和英翻訳講座 対策講座 添削のオンライン通信講座、英文添削講座、英語構文対策講座、ビジネス英作文講座、英語通信講座、英語学習 ) 等の総合サービスをおこなっています。

英語 ( 和英翻訳、英和翻訳 ) の他にも 、世界の主要言語であるイタリア語をはじめ、フランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語、ギリシャ語、スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語、フィンランド語など多言語の翻訳と校正に対応。

ELS では、自動車、機械、電気、電子、半導体、通信 ( ソフト、ハード ) から医学、薬学、バイオ、化学、環境、土木、建設、そしてさらには特許、法律、契約、行政、政治、経済、金融、マーケティング、国際ビジネス、メディア、観光、歴史、文学に至るまで、それぞれの分野で専門知識を持った翻訳者、校正者を確保しています。イタリア語翻訳を通じて、著しい発展を遂げるイタリアとの架け橋になることができれば、私どもにとって望外の喜びです。各種文書の作成に関する日本 ・ イタリア間の習慣の違いにまで踏み込んで、きめの細かい翻訳をお届けします。

またイタリア語論文翻訳も ELS にお任せください。イタリア語による各種論文のグローバル発信が求められる現状では、いかに優れた論文でも、翻訳者の知識、技量は必須です。ELS では、医療論文 ( 医学論文 )、小児科論文、看護論文、卒業論文、法律論文、観光論文、科学論文を始め、環境、半導体、自動車の技術 ・ 研究論文、経済、政治、歴史、社会学、文学、ビジネス等多岐にわたる学術論文において、各分野での専門知識を持った翻訳者やネイティブが翻訳、校正を担当いたします。ELSではお客様のご希望にそったイタリア語論文に仕上げ、またイタリア語論文の書き方についても専門家がアドバイスいたします。 また、日本文化に精通した日本在住のネイティブとのコラボレーションによりリーズナブルな料金で高品質なサービスの提供が可能になります。



イタリア語一口メモ  

マルコ・ポーロの東方見聞録では日本のことをジパングと呼んで紹介しました。日をジツ、本をポンと発音することができますから、これに近い音で耳に聞こえたようですが、現代イタリア語の翻訳では日本のことはGiappone(ジャッポーネ)、日本人のことはGiapponese(ジャッポネーゼ)と呼びます。





エクスコムシステム ランゲージ サービス(ELS) Copyright 2007-2009無断転載禁止。