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イタリア語翻訳 : 日本語の語彙との微妙な関係

フェラーリ
By Jon Rawlinson (CC)


イタリア語翻訳を専門として5年目に入りました。イタリア語翻訳者として最初の転機となったのが、イタリアのインフラ政策に関する調査と情報収集を目的とする定期の翻訳案件を依頼されたときです。 それまでイタリア語翻訳の仕事は、マニュアルの伊和又は和伊翻訳だけに限っても、食品 ・ 販売業 ・ 機械加工などさまざまな業種の仕事の断続的な受注でした。 翻訳の対象となる業種が変われば使用するイタリア語と日本語の語彙も変わります。その度に新しいイタリア語と日本語の語彙調査に思わぬ時間を取られたものでした。 イタリアのインフラ政策についての伊和翻訳は長期の一貫した翻訳作業でしたから、新しいイタリア語の語彙はそのまま次の伊和翻訳への蓄積となります。

イタリア語から翻訳する書類は、イタリア官庁の証明書やイタリア官報の日本語翻訳、イタリア現地法にイタリア新聞記事と多岐に渡ります。 イタリアの官庁が出す証明書に使われるイタリア語は硬くて古風なイタリア語文章ですが、パターンが決まっているため、一度コツを飲みこんでしまえば、イタリア語日本語翻訳の作業は決して難しくありません。

インフラの分野として特に伊和翻訳の依頼が集中したのは 「 鉄道 」 と 「 高速道路 」 政策に関するものでした。どちらの分野も 「 イタリアの 」 と形容詞がつくと、その能率の悪さや、乱脈な運営で知れ渡ります。 イタリアの経済新聞記事を伊和翻訳するときなど、信じられないようなデーターが掲載されていて、この案件のイタリア語翻訳を始めたばかりの頃は自分のイタリア語読解力を疑ってかかるようなことが良くありました。

イタリアの経済新聞といえば、独特の回りくどい表現と、専門的なイタリア語の語彙や英語のボキャブラリーを多用し、難解なことで知られます。その分野の予備知識がなければ、ネイティブのイタリア人でも理解が難しいような書き方です。 この点はわかりやすい日本語表現に気を配る、日本の新聞(専門紙はまた違うでしょうが)とはだいぶ印象が変わるかも知れません。

イタリアの官庁や公社の機構も、複雑で把握が難しいものの一つですが、その指揮系統となると更に込み入ってきます。日本とはシステムが違うことも多く、イタリア語から日本語に翻訳するときもなかなか苦労します。 イタリアにあって日本には存在しない部署や肩書きを伊和翻訳するときは、イタリア語の記述をそのまま日本語に直すべきか、それとも職務内容が伝わるように日本人に馴染み深い日本語表現に置き換えるか悩みます。 イタリア語翻訳の補足資料としてオンラインで情報を検索すると、その情報量の少なさに泣かされます。イタリアでもオンラインの情報公開や電子政府の試みを進めてはいますが、日本の実情と比較するとまだまだ後進国。イタリア語専門分野の辞書の不備と共に、イタリア語翻訳者の泣き所です。

ところで、イタリアのインフラ分野の伊和翻訳で非常に多く出てくるイタリア語といえば、官庁や政府の能率の悪さと、煩雑で時間のかかる事務処理を一言で表現できる 「 Burocrazia 」 でしょう。 伊和 ・ 和伊辞典では「官僚形式主義」と訳されていますが、ニュアンスは上に書いたようにもっと大きな含みがあり、良く出くわすイタリア語なだけに、日本語翻訳時に苦労する物の一つです。イタリアの鉄道や高速道路建設は非常に長い時間がかかり、財源が確保できなくて工事が中断するなど、予定工期内に完成することはほとんどないような現状。イタリア人自ら「イタリアのインフラ建設は発進しても完成するとは限らない」などとアイロニーを交えて描写する分野です。

イタリア語翻訳者としての私にとっては、興味深い経験を多く積むことができ、伊和翻訳のスキルアップにもつながりました。 現在もそしてたぶん今後も安定した翻訳受注を確保してくれる、とてもありがたい分野になりました。



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イタリア語一口メモ  

イタリアは鉄道網が発達した国ですが、電車の中にespresso(エスプレッソ)というのがあります。いかにも早そうな名称ですが、日本語に翻訳する際には「急行電車」となります。「特急電車」はrapido(ラピド)と呼んでいますから、イタリア語翻訳の際には注意が必要です。また「超特急」はsuper-rapido(スーペル・ラピド)となります。





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