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イタリア語の翻訳概念

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By Zarylla (CC)


翻訳をするときの注意点や考慮すべきこととして、多くの方が 「 本文に忠実に訳すべきか 」 あるいは 「 意訳して伝えるべきか 」 に頭を使い、悩み、考え、嘆かれているものと思います。しかしイタリア語翻訳に携わる場合、イタリア語から日本語への翻訳でこうした悩みを持った場合、日本語からイタリア語への転換には、イタリア人はどのようにイタリア語翻訳を考えているのかを考えてみる必要があるでしょう。イタリアにはこんな言葉をあることをお伝えしておきます。

Traduttore e’ traditore. ( 翻訳者は詐欺師である )

Traditoreとは前述の詐欺師のほかに、裏切り者や嘘つき、あるいは浮気者といった意味があり、要はおおよそ信じられない、あるいは信じるに値しない者だと言っているのです。なんだかイタリア語からの翻訳文を信じて読んでいた方々には申し訳ないような表現かもしれません。

しかし翻訳者足るもの、そもそも翻訳とは何かを考えてみる必要があります。それは翻して訳したもの、すなわち引っくり返したり、態度を変えたりして解釈したものという意味です。わが同胞の先人たちは 「 翻訳 」 という言葉を生み出したとき、こうした意味を持つものだと認識してこの文字を当てたに違いありません。

こうして考えれば、一つの言語を別の言語で言い換える 「 翻訳 」 作業において、忠実にするかどうか、あるいは意味が通るように変えるかどうか、そうした悩みやまったく無意味であることがおわかりになるでしょう。イタリア語翻訳の場合、訳者は詐欺師であるべきなのですし。

先日あるイタリアの文芸作品を邦訳していた際、その作品全体を流れるテーマの一つとして色と香りが重要視されていることに気づきました。キリスト教やイスラム教の概念も絡めながら人の生き方に目を向けている作品でしたが、後半部になって、こうした色と香りに対する考え方は遠く離れた日本という国にも存在するものだと記されてあったのです。そしてその思想は詩句の形で伝えられており、すべての日本人はそれを知っているのだと。ゆえに日本人はこの作品の内容に共感できるはずだと。

神道や仏教が礎となっている日本人が、どういう基本概念から色と香りを重要視しているというのか、私にはどうしても理解できませんでした。ましてや誰もが知っている詩句だというのです。翻訳作業そのものよりも悩んだ揚げ句、終盤になってようやく結論が見出せました。それは 「 いろは 」 なのです。作者は日本人がひらがなという日本のアルファベットを 「 いろは 」 によって学ぶと聞き及び、その意味が 「 色は匂へど散りぬるを 」 という思想であると知ったのでしょう。

実際にすべての日本人が 「 いろは 」 の持つ本来の意味を知っているのかどうか、そんなことは作者にとっては重要ではなく、こうした概念が日本にあるのだということを彼なりに 「 翻訳 」 して取り入れたということなのです。苦心して 「 いろは 」 の意味をイタリア語訳して文中に織り込んでいましたが、もちろんのこと、それを私が邦訳する際には「いろは」そのもので置き換えました。

翻訳者は詐欺師である。これは書き手の思想を、読み手の思想に適合するように置き換え、最初から自国の言語で記された文章であるかのように見せることを意味します。同じラテンでもスペイン語やポルトガル語の翻訳に対する考えより、ほんの僅かばかりですがイタリア語翻訳は高尚な気がするのは私一人でしょうか。



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イタリア語一口メモ  

イタリアの八月はバカンスのシーズンです。バカンス(vacanza)の語源はラテン語のvacans(空っぽの)ですが、仕事やストレスを頭からすっぽりと忘れ去るために必要なものとなります。そしてローマやミラノといった都会では、町の人が自家用車で海や山に出かけてしまい、文字通り町中が空っぽになってしまいます。





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