イタリア語翻訳 ( 日本語 ⇔ イタリア語 )、添削、ネイティブチェック、和伊 ( 伊和 ) 翻訳


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イタリア語翻訳に登場する外国

寺院
By Dario Failla (CC)

 

イタリア語翻訳をしていて、ときに外国を指し示す表現に出くわすことがある。もちろん日本語にもこれはある。年配者なら理解できるだろうが、小麦粉のことをかつて同胞はメリケン粉と称していた。アメリカが放出した粉という意味合いからこう言い慣わすようになったに違いない。またかつては国際問題にもなりかけたトルコ風呂というものも存在した。  

一方のイタリア語ではどうか。イタリア語翻訳のさい、これをそのまま日本語に訳出していては日本人には到底理解できない表現がいくつかある。当のイタリア人は平気で使っているようだが、どれもこれもあまり好ましい表現とは思い難い。  

なんといっても最大に槍玉に挙げられているのがイギリス人だ。よほどイタリア人には癇に障るのか、fare l’ingleseといったら直訳ではイギリス式にやるということだが、これは知らないふりをする、という意味でしか使わない。よほどイタリア人にはイギリス人は無愛想に思えるらしく、andarsene all’ingleseという表現もある。これはイギリス風に立ち去るというのが直訳だが、挨拶せずにこっそり無断で立ち去る、という表現だ。イタリア語翻訳のときに、イギリス紳士らしくなどと思って、日本語で単純にイギリス風などと訳していたら、いささか悪意を秘めた意味合いを見落とすことになってしまう。  

一方fare il portogheseポルトガル人をやる、という表現は歴史的な理由があって16世紀に首都ローマでポルトガル人に無料で交通機関が解放された事実に由来するのだが、よほど今でもその優遇に根を持っているのか、現代では無賃乗車や入場券を買わないで劇場などに入り込むことを指す。

spagnolescoはスペイン人のように横柄で尊大な、という意味の形容詞になるし、spagnolismoもスペイン語特有の語法やスペイン語起源のイタリア語という本来の意味を持つが、スペイン人的性格として目立ちたがりというニュアンスで使われる。

fumare come un turcoはトルコ人のようにタバコを吸う、つまり現代社会には居づらい存在となったヘビースモーカーであることを示す語句だし、parlare turcoトルコ語を話すなら、意味不祥のことを言うことを指す。

araboはアラビア語という意味だが、不可解な言葉をも意味する。だからparlare araboも前述のトルコ語と同じく、訳のわからないことを言うという意味になる。

fare lo svizzeroスイス人をやるだが、これは異様なことをするというイタリア語翻訳が適切となる。特に国境を接している北イタリア人にはスイス人は理解し難い存在らしい。

こうやって考えていくと、日本人や日本語が登場する悪い言い回しがイタリア語には存在しない。それは喜んでいいことなのか、何を考えているのかさっぱりわからない民族扱いされていると嘆くべきなのか、果たしてどちらだろうか。


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イタリア語一口メモ  

お正月に公開される映画のことを、日本ではお正月映画と呼んでいますが、イタリアでそれに相応する映画はクリスマスに公開される映画になるでしょう。ただし少しひねった表現を使い、クリスマス時期に食べられるパネットーネPanettoneというケーキにちなみ、パネットーネ映画Cinepanettoneと呼ばれることがあります。





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