イタリア語翻訳 ( 日本語 ⇔ イタリア語 )、ネイティブチェック、和伊 ( 伊和 ) 翻訳


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天気予報のイタリア語翻訳

桟橋
By Pilar (CC)

 

日本は雨が多い国だからと、雨冠のついた言葉が多いことを喧伝されている。別に雨が多くて嬉しい人ばかりではないだろうが、実際に雨が多いのだからこれはもう諦めて、そう誇ることにしておこう。  

たしかに雨、雪、霧などを始め、雹(ひょう)、霰(あられ)、霞(かすみ)、露(つゆ)、霙(みぞれ)、靄(もや)など、もとは水蒸気で同じようなものをいくつかに表現を変えて示そうとする。先人の想像力には感心させられるところだが、これらはイタリア語でもしっかり対訳の翻訳語が存在する。今挙げた言葉を順番に、pioggia、neve、nebbia、grandine、neve granulosa、foschia、rugiada、nevishio、brumaというように。  

イタリアは日本よりは遥かに乾燥した国ではあるが、やはり自然現象に対して感じるものは同じ人間である以上、変わらないものがあるのだろう。  

では天気予報などに使われることも多い、気候や天気に関わる表現は日本語とイタリア語でどう違いがあり、どう似ているのだろうか。イタリア語翻訳の表現を見ていこう。  

まず土砂降りだが、日本語では土砂が降るところ、イタリア語翻訳では a catinella と表現する。カティネッラとは洗面器だ。つまり洗面器をひっくり返したような降り方ということか。土砂が降るほどにはイタリアでは雨が強く降らないのかもしれない。もっとも日本語ではバケツをひっくり返したような、という言い回しもあるから、これにはぴったりと一致する。  

その反対のかんかん照り。日本語は太陽の照りつける様子を音で表現しているようだが、もしそうだとしたらイタリア語も同様で、un sole che spacca le pietre、つまり「ハンマーで石を砕くほどの太陽」という意味の表現をする。どちらもまったく同じ意味合いといえよう。  

そして寒いほうも同様で、身を切るような風のことなら un vento che taglia la faccia、つまり「顔を切る風」というし、肌を刺すような寒さなら un freddo pungente「ちくちく刺す寒さ」と、これまた全く同じ表現をする。  

もちろんイタリア語独特の表現も多いが、中でも愁眉の表現は霧に関するもので、una nebbia che si taglia con il coltello、すなわち「ナイフで切れる霧」という言い回しがある。今ではずいぶん頻度が減ってきたとはいえ、特にポー河流域に当たるトリノやミラノなどの北イタリア地方では冬場に濃い霧が発生する。日本ではよほどの霧の名所にいかないと体感できないほどの濃霧で、数メートル先が真っ白で見えないことすらあるほどだ。この深い霧を表現するのに使う言い回しだが、ナイフで切れる、とは実に当を得た表現だと納得できる。  

かつてはミラノのドゥオモ広場で、ドゥオモはどこにあるかと尋ねた観光客もいたというほど濃霧が頻繁に発生した。ナイフを振り回して霧を実際に切りまくりたくなる気分もわからないでもないような。


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イタリア語一口メモ  

大学のことをイタリア語ではuniversitàといいますが、これは英語とも似たわかりやすい表現だといえます。これに対して、少し気取った表現でateneoという表現があります。これは元々ギリシャのアテナ神殿を意味するのですが、知識が集う場所という意味に転化して、高等教育機関を示す言葉として定着しました。





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