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スポーツ用語の伊和翻訳

ボート
By Umberto Fistarol (CC)

 
昔も今もイタリアで人気のスポーツはサッカーだ。これと肩を並べるものとして自転車競技とF1が挙げられるが、テレビの視聴率の高さでは確かにそうではあるものの、実際に自らが参加したことがあり、競技会場に手軽に足を運んだり、テレビ観戦をしたりするのにも好都合で、一年のうちかなり長い期間を楽しめるというスポーツといったら、これは何を置いてもサッカーであるに違いない。  

皆が知っているようにサッカーは英国生まれだ。だがイタリアもかなり早い時期からサッカーが盛んになったせいで、その用語のほとんどはイタリア語化して使われている。サッカーはCalcioといい、これは蹴ることを意味している。文字通り蹴球と同義なわけだ。だが多くの単語はイタリアで独自に発展を遂げたらしく、元々の意味とは離れつつ現在使われているものが多い。  

例えばゴールキーパーはPortiereで、これは門衛やホテルのフロント係という意味にも使われるくらいだから、もちろん伊和翻訳の際にはゴールキーパーと訳出するけれども、イタリア人の耳には守衛というように聞こえているわけだ。いかにも守りの要というイメージを抱かせる。  

オフサイドはFuori Giocoといい、直訳すると「プレー外」という意味だから、これなどルールを知らない人がオフサイドと言われてもピンと来ないだろうが、プレー外ならなんとなく想像ができる。キックオフも「最初のキック」という意味のCalcio di inizioだから実に明快だ。同一選手が三点得点を挙げることを表現するハットトリックも、Triplettaだから「三つの要素からなるもの」とうことで、サッカーファン以外でも把握できよう。同様にゴールキックも、ゴールに向かってキックするのか、ゴールになって得点になったのか、などと瞬時にわかりにくい表現だが、これもイタリア語ならCalcio di rinvioとなり、「返送キック」なら大まかにでもどんなものなのか思い至るだろう。中にはペナルティキックを「過酷」を意味するRigoreと呼ぶように、なんだか微笑ましいものまである。  

伊和翻訳のとき、これらイタリア語をそれぞれ日本語に直訳していっては甚だ奇妙な表現になってしまう。スポーツでの翻訳、その用語の特殊性を充分に理解しつつ、通常の意味合いとは異なる可能性があることを考慮せねばならないことが考えさせられる。  

ところでサッカー用語では、かくも元の英語表現から離れてイタリア語化した単語を生み出していったイタリア人だが、何故か同僚にシュートをさせるためのパスを意味するアシストや、相手ゴール前にパスを通して味方の得点チャンスを得ようとするクロスパスのセンタリングは、それぞれAssist、Crossと英語をそのまま使っている。まるで他人の手柄になるシュートをさせる裏方をするのをイタリア人が嫌って、この種の動作をイタリア語化するのを避けたかったかのようだ。


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イタリア語一口メモ  

今やスノッブやハイソサイティの食べ物というイメージから、誰でもが手軽に食べるようになった感のある寿司。大手スーパーでもパック入りの握り寿司が販売されるほか、冷凍食品の寿司や、巻き寿司のテンプラなど、本家の日本人が考えもつかない食べ方に至るまで広まってきました。





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