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翻訳メモリツールの長所と短所

海原を走る橋
By Mike Johnston (CC)
最近、翻訳業界では翻訳メモリツールの使用が盛んに行われ、その種類も豊富です。Trados 、Wordfast、SDLX 、Transit, Tratool、Dèjà Vuなどが有名です。

まず、確認しておきたいことは、翻訳メモリツールと翻訳ソフトは、異なるものだということです。最近でこそ、お互いがお互いを取り入れ、境界線がぼやけてきていますが、基本的には翻訳ソフトとは、文や文章を機械的に日本語に置き換えていくソフトウェアを意味します。しかし、翻訳ソフトによる翻訳は、内容についてなにがしかの理解の助けにはなるものの、必要な手直しをしないと使い物にならないことが普通です。翻訳メモリツールは、全く別のもので、翻訳メモリ データベースを主体としています。

中でも代表的なTrados が登場したときは、高級テレビ並の価格だったのですが、最近は入手しやすくなっています。グループ購入という手段があり、これに参加するとかなり手頃な価格で購入できます。

翻訳メモリツールの良いところは、いったん翻訳した文が再度出現したときに、訳文を再利用できるところにあります。これは、マニュアル翻訳などの繰り返しの多い翻訳をする場合に威力を発揮します。クライアントにとってもディスカウントにつながり利益になります。

過去の訳が再利用できるのは、他にもメリットがあります。何十万語という膨大な量を翻訳するプロジェクトの場合、一定期間に仕上げるために、何人もの翻訳者が分担して作業を行うことになります。その際、共通の翻訳メモリがあることは、大きな力を発揮します。

ですが、良いところばかりではありません。翻訳する際に、一文ずつ見ていく仕組みになっているので、パラグラフ全体を見て翻訳することが難しくなります。したがって、文そのものは良い翻訳になっていても、パラグラフ全体の中では収まりがよくないことがあります。

さらに、同じ製品がバージョンアップされる度にマニュアルも改訂されますが、その際過去の翻訳メモリが存在することになります。もちろん役立つところが非常に多いのですが、中にはおかしな翻訳も出てきます。前の文脈では上手く意訳されていたものが、今度の文脈では当てはまらないのです。つまり、使い回しに適さないものが中に含まれるのです。例えば、代名詞の訳があります。以前の翻訳で代名詞を具体的な名詞に置き換えて翻訳している場合、今度は当てはまりません。そのまま見過ごすと、チンプンカンプンな訳文になります。したがって、英文が全く同じ完全一致の文でも、一つ一つ確認する必要があります。

Trados を使用する翻訳の料金体系では、全く一致しない文の訳は、100% 支払われますが、それ以外の、ファジーマッチの場合で 50% 前後、完全一致の場合でも 20% 程度支払われるのが普通です。中には完全一致は0%というケースもあります。これは極端にしても、Trados などの翻訳メモリツールを使用した翻訳の評価にもっと翻訳者の努力が反映されるべきだと思います。


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