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産業翻訳 = 微妙な表現

メアリー・ポピンズ
By Louise Docker (CC)
産業翻訳 ( インダストリアルトランスレーション ) がカバーする分野、範囲は手を広げてみれば限りがありませんが、今日は微妙な表現に触れてみましょう。
産業翻訳という言葉自体は非常に硬いイメージを持っており、通常は硬い表現、しっかりした記述、事象を明確に捉えた記述、誤解を与えない表現が要求されます。例えば、機械の図面、設計基準書、組み立て基準書等に於いては、寸法、公差、組み付け基準が隙無く記述されています。部品AとBを組み付ける場合には、“ 部品Aと部品Bの取り付け穴を合わせ、5mmのボルトD及びナットDで取り付ける。締め付けトルクはxxニュートン+/-yyニュートンで行い、締め付け後トルクレンチで確認のこと ”のように書かれます。ここには微妙な表現が入る隙は余りありません。

それでは、産業翻訳で微妙な表現が求められる場合とはどの様な場合なのでしょうか?色々の事例はあるかと思いますが、私が遭遇する事例は大部分“ 不具合 ” ・ “ 故障 ”が関係しています。現在ではデジタル写真、ビデオ、CCDカメラ等の電子機器が発達しており、且つMP3等の音声圧縮技術も進化しているので一昔前とは大分様子が異なっていますが、それでも産業翻訳で微妙な表現を要求される場合は至る所に潜んでいます。
不具合 ・ 故障と言った事象を伝える文章を産業翻訳する場合、翻訳者が事象の内容をよく理解し適切な擬音に対する捕捉表現を追加しないと誠に内容の薄い産業翻訳となり、訳文から現象を理解することが出来なくなってしまいます。翻訳者が報告者と離れた場所に居り、只文章の“ 歯車がスムースに廻らない ”と言う文章の字面からだけ翻訳を行うとすると適切な産業翻訳には全くなりません。
勿論状況の確認が行えない場合には与えられた条件の範囲で最善を尽くすことが必要ですが、日本語から英語の場合でも、逆の場合でも、擬音を使用したような微妙な表現にはもう一歩掘り下げた“ 微細な部分の補助表現を添えることが分かり易い産業翻訳文作製のコツではないでしょうか ? 微妙な表現の陰には現象を的確に捉える微細な現象表現 ”の裏打ち ・ 支援が必要です。擬音という微妙な部分を現象に基づいた微細な表現に置き換える。翻訳者が現象を本当に理解していれば短い文章で的確に微妙な表現をすることが出来るでしょう。

微妙な表現を上手に行うには、現象を微細な表現に置き換え( 情報を貰い )完全に要素 ・ 要因分解をした後短い表現に纏め直す-これが極意ではないでしょうか。これから先の纏め方を如何に短く ・ 分かり易く行うかが産業翻訳者の腕となるでしょう。 文章の掘り起こしには、想像力も必要、さあ、微妙な表現に溢れる産業翻訳に挑戦してみましょう!


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