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半導体製造装置に関する日英翻訳、英日翻訳の難しさ

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By David Baron (CC)
半導体製造装置が他の電気機器またはその製造装置と異なる点は、関連する分野が広く多岐に渡る点である。主なものだけでもメインコントローラ、I/O、高精度メカニズム、化学、ガス、真空技術、特殊センサー、清浄技術、温度コントロール、耐熱技術、メインテナンス技術となる。これらが集合した構成となるため、装置規模も相当なものになる。

半導体製造装置がこれだけの複雑な構成を持つ理由は、極限の清浄性の中で、均一な温度または温度上昇率と反応室( チューブ )内圧力を制御しつつ、複数のガス ・ 化学液体を正確な流量で供給しながら、ウェーファー上に均一な反応膜を形成するという、非常に繊細かつ微妙なコントロールが必要だからである。これらコントロールの対象となる条件をレシピと呼んでいる。

すなわち、半導体製造装置に関する翻訳には、半導体製造の工程の知識のみならず、上記のような広範な技術に関する知識に基づく英訳 ・ 和訳が最低限必要とされるのである。また。これ等に使用される専門用語は半導体業界特有のものであり、単一の専門分野に長けているだけでは、業界に通用する翻訳は不可能である。 必要とされる知識はこれだけではない。半導体製造装置の特性から言って、装置安全に対する知識も必要とされる。

半導体製造装置は、稼動開始から廃棄に至るまで、完全自動化すなわち無人化を達成することは今のところ不可能である。というのは、高温のヒータ、ガス管や反応炉に付着する堆積物を生成することを防ぐことが不可能なガス ・ 液体を使用しているため、プロセス中に不具合が発生したり、メインテナンスを行なうには当然作業員が必要となる。 ところが、前述したように、ヒータ、ガス、化学液体を使用するため、火傷、感電、有害なガスの吸引や液体への接触により、作業員の怪我、最悪の場合は死亡に至るケースも考えられる。

これ等に対応するため、また海外輸出時の各国の安全基準に適合するためには、SEMI、MSDS、OSHA、UL、CSA、CE Marking等の装置安全規格に関する知識も当然必要となる。これらの規格は全て英語によって作成されており、また、上記複数の安全規格がより完全な物に熟成させて行く必要があると同時に、これまでに試みた事の無い技術や材料を使用するプロセスは日々増えて行くため、安全規格もその技術を安全に使う為の規格も日々各部会によって議論され、更新されていくのである。つまり、一度翻訳版を購入すればそれで済むものではなく、また、公的に日本語に翻訳された規格を待ってから自社の製品に適用するのでは、業界の流れについて行けず、該当する会社の安全に関する意識が低いと判断され、ひいては他社との製品の受注競争に負けてしまう可能性さえある。

このためには、日々更新される安全規格の情報に遅れること無く和訳して設計者に伝えないと、本当の意味での最先端の設計はできず、また、和訳時の解釈のミスは人命に関わるため許されない。

また、輸出時には、マニュアル、技術連絡書または技術報告書または客先の担当との技術連絡などの数々の文書の英文への翻訳が必要になる。

このように、広範で日進月歩で変化する技術知識と装置安全に関する専門用語の正確な知識があって初めて正確な日英翻訳 ・ 英日翻訳が可能となり、他社に負けない製品と客先への対応が可能となるのである。


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