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分かりやすい技術翻訳 ( 社内翻訳編 )

カップケーキ
By Kristin (CC)

私はメーカー海外部勤務を通じ、多くの技術関連文書を翻訳するという機会がありました。殆ど日常業務の一環として翻訳を行ってきましたが、私以外にもメーカーや商社等に勤務されていれば、技術的な文章を翻訳される機会も多いかと思います。翻訳された文章を読むと、翻訳を行う人により翻訳文書の分かり易さがかなり違ってくることはお気づきの方もおられるでしょう。翻訳者により翻訳文に分かり易さの優劣が付くことは、社内翻訳 ・ 社外翻訳でも同じです。

其の違いは何処からやってくるのでしょうか?経験的な考察ではありますが、この差は翻訳者の日本語読解力と社内用語の理解 ・ 駆使に掛かっているように思われます。これは外国語から日本語へ、日本語から外国語への両方に共通して言えるでしょう。又、この点はどのような外国語であっても同じではないかと考えます。例えば、アメリカ人が日本語を英語に翻訳すと想定します。その場合、翻訳者の英語 ( 米語 ) 力がアメリカ人にとって分かり易い翻訳となる鍵となります。
簡単に言えば、母国語できちんとした文章が書けない人は外国語にどんなに長けていたとしても分かり易い翻訳文を作ることは難しいであろうと思います。外国語から日本語への翻訳の場合、外国語の文法、語彙等は勿論重要ですが、その国の文化を知りながらどのような日本語を当てはめ日本語の文章としておかしくないように作り込めるかが鍵となります。逆に日本語から外国語への翻訳では、書かれている内容を正確に理解すると同時に、文脈に隠されている意味を何処まで砕いて出し切れるかが課題となります。

技術文書翻訳の場合、一般文書との違いは専門用語、社内用語を何処まで正確に使うことが出来るかが翻訳文書の出来を大きく左右します。翻訳者として普通に使われている技術用語は正確に使用しなければならないことは勿論ですが、社内翻訳に於いては社内用語 ( 単語及び用法 ) の使い方にも十分配慮する必要があります。 会社の規模が大きければ大きいほど、会社の歴史が長ければ長い程、又技術部門に関わる人たちの人数が多ければ多い程社内用語の数が多くなる傾向にあります。外部翻訳では翻訳依頼元から辞書もしくは用語集が渡され、それらがある程度使われていれば許容される翻訳も、社内翻訳では社内用語の正確な用法が翻訳品質評価判定基準となることがままあります。文書が社員により翻訳されたと知れた時点で、読み手は専門用語以上に社内用語を読解のキーワードと見る傾向があります。従って、社内用語が正確に使われていれば翻訳文書は読み手にとって読み易く、理解し易いものとなりますが、逆の場合には翻訳した社員の能力 ・ 経験 ・ 知識まで問われかねない場合があります。

更に、技術文書翻訳と言っても社内翻訳者の場合、業界知識を十分に身につけておく必要があります。業界知識に乏しい場合、翻訳文書の行間を埋めることが難しくなる場合があります。その背景としては、社内翻訳は大概の場合若手社員・翻訳専門職が行う訳ですが、翻訳された文章の読み手は経営者・管理職が中心となり翻訳者と読み手の知識レベルの差が問題となるケースも出てきます。社内翻訳者は常日頃から業界の動きに注意を払い、翻訳文章の公開にあたっては社内有識者の検閲を受けるのが賢明では無いでしょうか。

社内で技術翻訳に係わられる方々は、常に業界動向と社内用語に気を配っておくことがより良い、分かり易い翻訳を行うコツと心得られては如何でしょうか?


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