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オランダ語の多様性

風車
By Elisa Bracco (CC)

オランダ語翻訳をしていると、さまざまな場面に遭遇します。日本のテレビ局報道 ( 外報 ) 部で、ある資料のオランダ語 ( 蘭日 ) 翻訳をした後、事実確認のため、現地の関係者に電話をかけることになりました。放映を目的とした突然の、しかも現地ではまだ早朝の取材申し込みに快諾をいただいたのも、日本から直接 ( 英語ではなく ) オランダ語で電話したからだと思われました。極東からの電話!しかも日本人オランダ語翻訳者と話したのは初めてです、ということで、インタビュー後の会話も弾みましたが、最後に 「 フラマン語お上手ですね 」 と言われ、「 私のことばはオランダ語ではないですか? 」 と問うと、「 もちろんオランダ語ですよ、文法も語彙も標準語のものだし。でも南部のアクセントで、フラマン語にかなり近いですね。お互い話をするには全く支障はないけれど 」 という答えでした。(「 フラマン 」 は、仏語で 「 フランドル 」の形容詞形です。) 確かに、オランダ語を習いオランダ語翻訳を始めたのはベルギー北部のオランダ語圏であるフランダース ( フランデレン ・ フランドル ) 地方の学校だったので、それを伝えると 「 ああ、なるほど 」 という反応でした。

オランダ語翻訳をしながらオランダ国境すぐ近くのフランダース地方で暮らし、オランダを北上しながら旅してみると、オランダ語ということばが南から北へ、光のグラデーションのように広がっているのが実感できます。また南に戻ってフランダースの海岸地方を訪れ、土地の古老と話をする折り、翻訳できるような標準語でなく村の古い方言で全て話をされてしまうと、オランダ語翻訳をする人間といえども耳では理解できないこともあります。これは外国人だけでなく隣村の人間でもそうだった、という現地の人の話でした。標準語を話すことの重要性がよくわかります。少し南へ歩くとフランス、海の向こうがイギリス、というある村の古い宿屋の食堂で、まだ若い青年のウエイターが注文をとってくれたときに発したある副詞形に(古英語を学んだ者なら誰でもわかるように、オランダ語、ドイツ語、英語が明確に同源であることを想起させる)、なんとも古風な、かつ雅な趣を感じ、オランダ語翻訳をする者として感激したこともありました。この村では店などでは皆、バカンス客のためでしょうか、オランダ語以外にも英語、フランス語、ドイツ語を流暢に使い分けていました。( これ以外の言語からオランダ語翻訳をする人はいませんでしたが。)

また、オランダ語翻訳者にとっては嬉しいことに、オランダ語は欧州以外の国でも使われています。オランダ語から分かれて現在では異なる言語として成立したアフリカーンス語 ( こちらもほぼオランダ語同様に読解、翻訳が可能 ) が話される国もあれば、正式な公用語としてオランダ語を使用している国もあります。あるとき南米のスリナム政府の文書を蘭語和訳および英訳したことがありました。いわゆる白書と呼ばれる種の文献でしたが、その語彙は古風で文体は典雅な印象があり、事務的な報告書でありながら、オランダ語翻訳をしていて文章に強く惹かれました。欧州のオランダ語ネイティブスピーカー ( やはりオランダ語翻訳者 ) に見てもらうと「立派な文章だが、欧州ではもう聞かれない言い方もあるように思う」とのこと、これが古式ゆかしい文体というものではないかと思い至りました。オランダ語翻訳者として過ごした至福の時でした。

これらはすべて、オランダ語翻訳をする上で強く感じる、この言語の多様性を示すものでしょう。しかし多種多様でありながらも統一性があり ( これを推進するオランダ語連合 - Nederlandse Taalunie – の存在も相まって )、一言語としての確かな纏まりを見せる、オランダ語の豊かさ、堅実さ、言語としての強さ、美しさを、オランダ語翻訳の際にいつも感じています。


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