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技術翻訳との出会い

鮮やかな花
By Donna Sutton (CC)
 大学卒業後、東証1部上場 ( 現在 ) の企業に就職し、それなりに英語を使ってきた。外国人とは毎日のように実際に会うか電話で話をしていた。どうしても英語を専門に使う仕事がしたくて、17年間勤めた会社を5年前に辞め、翻訳の仕事を開始して4年目になる。当時、翻訳者にとっては絶好の環境が整いつつあった。会社員時代の最後の数年間で、電子メールの使用を推奨され、社員ほぼ各人に1台パソコンがあてがわれた。それまでコンピューターを毛嫌いしていた私でも何とか基本的な操作を覚えることができたのである。退職後に早速パソコンを購入し、半年間翻訳学校に通った後、インターネットを通じて片っ端からトライアルを受け、10社近くから合格通知をもらった。
 最初に来た仕事は、コンピューターソフトのマニュアルの英和翻訳。今では和英よりも英和翻訳を主として行っているが、その当時はIT翻訳の仕方が全くわからない。技術文書をどう表現していいのかわからない。わからない単語はほとんどなく、辞書で調べる単語もない。ただ、どのようにIT関連の英和翻訳を表現していいかがわからなかった。コンピュータ操作の翻訳の場合、操作順に翻訳するのが基本ということはどこかで読んだことがあるが、その程度の知識しかなかった ( 例えば、”Click A to open B.” 「 AをクリックしてBを開きます。」 など )。翻訳というよりも高校生か大学生の英文和訳レベルの文章で提出したのだと思う。それ以来、そこの翻訳会社からの依頼は全くない。その後は食べていくために他の翻訳会社から来る依頼はすべて引き受けた。あるとき、苦い思い出のあるIT関連の英和翻訳を頼まれた。HTMLの翻訳でTradosを使う必要があった。すでにTradosのWorkbenchのみでの翻訳方法は独学でマスターしていた。その翻訳会社からTagEditorの使い方も技術文書の表現方法もしっかり教えてもらった。時間はかかったが一人でほとんどすべてのファイルを翻訳したので、自信がつき、面白いと感じた。私の名前は出ないが、私の訳した文章がかの有名な会社のホームページに掲載されるのである。UIの翻訳は、ピリオドやカンマの有無で訳が異なる (”Edit”は 「 編集 」 だが、”Edit...”は 「 編集中 」 と訳す )。 それ以来、技術翻訳の仕事を主体に行っている。IT分野は日進月歩である。コンピューターの基本的な知識もさることながら、新しいテクノロジーに興味を持ち、アンテナを張り巡らす必要がある。名詞構文のマスターは必須であるが、前述のように英語自体は難しいものではない。しかし、技術翻訳の技術的な知識がある人が訳すのと無い人が訳すのではその訳文に大きな違いが生ずる。技術的な知識の無い人がIT関連の翻訳で、英語の知識だけでいい訳を提供することは困難であろう。基本的にしっかり技術的な勉強をした上で翻訳を始めるべきであると思う。一番いいのは和英でも英和でも実際に技術翻訳をいくつかこなすことである。そして、技術翻訳の上達の早道は、英文にしろ和文にしろ、技術文書に多く触れるしかない。技術文書に頻出する”convention”は、「規則」と訳す。”determine”は通常、 「 決定する 」、「 判断する 」 であるが技術文書では 「 測定する 」 と訳す場合もある。技術文書のタイトルで必ずお目にかかる”Introduction”は 「 紹介 」 ではなく 「 概要 」 と訳す。”Understanding...”は 「 ~とは 」 と訳す。英語を読んで日本語を考え出すのではなく、英語を読んで技術的な知識を基に適切な日本語訳に当てはめていく感覚である。
 技術翻訳を始めたおかげで、どのような英文でもじっくり読み正確に理解できるようになった。英文法を詳しく勉強し理解を深めることができた。技術翻訳では英文が、わかりやすいマニュアルになっていく喜びはひとしおである。今後もこの道でしっかり頑張っていきたい。このエッセーがこれから翻訳をはじめる方にとって少しでもお役に立てば幸である。


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