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ポルトガルの料理1

お料理
By Retinafunk (CC)

ポルトガルは西洋の一員なので、いわゆる「西洋料理」のひとつとして考えることは間違いではない。しかし、世界に冠たる海洋帝国として多くの植民地を持っていたことや、スペインと共にアラブ人の手に落ちていた何世紀もの変遷を得たことなどから、独特の香辛料を使うことでも知られている。現在でこそ一般家庭でも使われる食材となった、サフランやコリアンダー、そして唐辛子。ポルトガルでは、こういった食材を取り入れ、他では見られない特殊な料理が発達した。
ちなみに、こうした香辛料や薬味をtemperoと言う。これが宣教師によって日本に持ち込まれ、揚げ物の味付けに使っていたのを当時の日本人が聞き及び、そこから揚げ物を「テンプラ」と呼ぶようになったというエピソードからも、ポルトガル料理に香辛料や薬味がいかに多用され普及していたかが想像できるだろう。

また西洋料理としては異色なことに、料理に砂糖を多用することでも知られている。和食にも繋がるようなその発想は、南米やアジアに進出。そして、その土地の味付けを取り入れたことに端を発するものが意外にも多いかもしれない。
とはいえ、現在のポルトガルの朝食は極めて西洋的で、パンあるいは菓子パンにコーヒー、ミルクで済ませるのがほとんど一般的である。そして以前のように夕食よりも昼食を重視する食生活も、現代社会ではややその比重を夕食へと傾けるようにならざるを得なくなったのは、ポルトガルもしかりである。

さて、日本食における米に相当する主食という概念には当てはまらないが、ポルトガルの食を考える上でもっとも重要な品目はパンである。全国にその土地独自のパンがあると共に、小麦粉によるパンのみならず、北部のトウモロコシ粉パン、ライ麦粉パンなどもある。
お料理
By Chico Ferreira (CC)
また、いわゆるパン処とされるのはアレンテージョ地方である。1キロの大きさになる巨大なパンから、コンパクトな小さなパンまでサイズが豊富で、日持ちがするものにいたっては、料理の材料へと転用するような使い方もする。
休日などには焼きたての熱々ソーセージを入れたパンや、北部で日曜だけに食べるfogaça、イースターに食べるfolaresという独特のパンなど、季節や曜日によって種類が異なるという特色も、いまだに根付いている。

「食の基本がパンである」というのは事実ではあるものの、バールと呼ぶカフェテラスとバーが融合したような店で、忙しそうに立ったままカウンターでそそくさと朝食を済ませるビジネスマンも多い。彼らの多くは、クロワッサンや砂糖をまぶした菓子パンを食べるのが主流となっている。朝食を西洋流で済ませたことを恥じるかのごとく、彼らは昼食や夕食をポルトガル流の食事とすることで、自国の食文化に想いを馳せているのかもしれない。




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