イタリアの食事 II、イタリア語翻訳、校正、日伊 ( 伊日 ) 翻訳、伊英訳、英伊訳


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イタリアの食事 II

パスタ
By Peter (CC)


現在のイタリア料理は他の西洋料理フルコースと同じで、前菜 ( antipasto )、第一の皿 ( primo piatto )、第二の皿 ( secondo piatto )、デザートという順番で食べるのが普通です。パスタとリゾットはこのうち第一の皿として食べるものです。別項の如く、北イタリアのロンバルディア地方が米どころですから、一般に第一の皿としてリゾットが登場するのが北イタリア料理に多く、小麦がよく取れる南部ではパスタを多く食べるわけですが、流通の発達した現在ではほとんどの地域で同じような食生活が営まれています。

それでも大きく分けて北部、中部、南部のイタリア料理の特色は次のようなものです。

まず北部はチーズの生産が盛んなように乳製品を多く摂取します。味付けにもバターを使ったものや、チーズをふんだんに使用した料理が目立ちます。味付けは軽めで、ヴェネツィアのあるヴェネト地方ではカニやムール貝などがよく食べられます。ロンバルディア地方ではサフランと牛の骨髄を使いバターで味を調えたミラノ風リゾットや、仔牛肉をバターでソテーするようにして揚げたミラノ風カツレツが有名です。最近では「大きなサラダ」という意味の Insalatone をよく食べ、これで食事代わりにする人が増えています。

中部は海と山脈があることから魚介類のほか牛や羊などの肉類のほか、野禽やきのこなどがよく食べられます。豆などの消費も多く、食材をバランスよく口にすることが多い地域です。有名なのはフィレンツェを中心とするトスカーナ料理で、牛の胃袋の煮込みトリッパやTボーンステーキの炭火焼などが有名です。

南部は野菜、果物の宝庫で、また海に囲まれた地域ですから海産物の消費が多くなっています。別項のようにトマトソースを使い出した地域であるごとく、トマトを料理に使うのが際だって多くなっています。またナポリはピッツァ発祥の地としても知られています。現在はイタリア中で食べられるピッツァですが、本場ナポリでは基本はトマトだけの赤と、チーズだけの白の二種類だけで一切の具を乗せないというこだわりを見せるところも少なくありません。

オリーヴ油は地中海地方のどこででもよく使われます。一般の食用油と違ってオリーヴ油は精製せず、オリーヴを絞ってできるものですから、オリーヴのジュースと呼べるかもしれません。イタリア全土で生産されていますが、一般に北部のオリーヴ油は軽めの味わいのものが多いためサラダなどの生食に合い、南部のオリーヴ油は重厚なものが多く揚げ物などに向いているといいます。そして中部のオリーヴ油はこれらのちょうど中庸の味わいだといわれています。

調理の基本は塩味で、これに南部のトマト味や北部のバターなどの乳製品が加わる程度と、イタリア料理の味付けは非常にシンプルです。すなわち素材の持ち味を楽しむ傾向を持つことで、この点は和食にも繋がるものがあります。日本人がイタリア料理を好む理由の一つにこの相似点が挙げられるでしょう。

しかしながら必ずしもこの特徴は世界中の美食家たちに好印象を与えるばかりとは限りません。いわゆる世界三大料理にイタリア料理は入っていないのです。世界三大料理とはフランス料理、中華料理、トルコ料理を指し、これは扱われる素材の豊富さと調理法のバリエーションや味付けの多彩さによって決められるといいます。イタリア料理は素材に関しては引けを取らないものの、調理法や味付けのシンプルさによって落選しています。

けれどもこう考えることもできます。まずフランス料理ですが、一説によるとこれは16世紀にフィレンツェのカテリーナ・ディ・メディチが当時のフランス国王アンリ2世に輿入れした際、連れて行った調理人たちによってフランス宮廷料理が確立し、これが時代を追うに連れて庶民にも広がっていったと言われています。すなわちフランス料理は中部イタリア料理が基となって誕生した料理だと考えることができるわけです。

中華料理との相似性は見出しにくいのですが、前述の如くイタリア料理は西洋料理には極めて珍しく麺類を持っています。このほかにも小麦粉とじゃがいもを練ったすいとんのような団子ニョッキや、詰め物をしたパスタのラヴィオリやトルテッリーニなど、水餃子を思わせる料理もあります。これらをメーン料理としてではなく第一の皿として食べるところなど、中華の点心を彷彿とさせるものがあります。

トルコ料理との関連については、オスマン・トルコと覇権を争っていたヴェネツィア共和国では、盛んだった貿易によって早くから外国の素材を料理に取り入れることが多く、香辛料を多く使うなど一種独特の料理法を編み出しています。

このように多くの外国料理の影響を受けつつ、常に進化しているのがイタリア料理の特徴ともいえます。和食から刺身や寿司にアイデアを得て、日本人の目から見ても斬新な刺身の食べ方を考案したり、野菜や肉類もプラスした寿司を生み出したりするなど、外国料理でありながらイタリア風にアレンジしたものも新イタリア料理として考慮できるかもしれません。



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イタリア語一口メモ 

イタリアの食事は量が多いと日本人が嬉しい悲鳴を上げています。前菜だけでもかなりのボリュームですし、第一の皿のパスタを食べた時点でおなかが一杯になってしまう方も少なくありません。けれど一日の食事量で考えますと、イタリア人は朝はコーヒーだけで済ませ、昼はサンドイッチをつまむ程度で終える人がけっこういます。彼らとうまく夕食をつきあうには、朝と昼を軽めに済ませるようにすることが大切なようです。





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