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イタリアの通貨

街と空
By Francesco Sgroi (CC)


イタリアでは長らくリラ(lira)が通貨単位として使われてきました。2002年に欧州共同通貨のユーロ(Euro。イタリア語ではエウロと発音)が導入されることで消滅しましたが、リラには通貨単位という意味合いもあるため、現在でも英国ポンドのことをlira sterlina(スターリング・ポンドならぬスターリング・リラ)と称しています。

ユーロはユーロ参加国共通の通貨であるため、お札のデザインはまったく同じで、コインも表面は共通となっています。しかしながらコインの裏面のみ各国が独自に意匠を凝らしていますから、どんなデザインとなっているのかを見るのも興味深いものです。イタリアの場合は次のようになっています。

  • 1セント:プーリア州にあり、世界遺産に登録されているカステル・デル・モンテ(Castel del Monte)。13世紀に軍事目的でフリードリッヒ二世により建造。建物自体はもちろん、隅にある塔や中庭まですべて八角形で統一されています。

  • 2セント:トリノのシンボルであるモーレ・アントネッリアーナ(Mole Antonelliana)という高さ165.15メートルの塔。19世紀の建造。高さ85メートルのテラスまで登れ、トリノ市内を一望できます。

  • 5セント:ローマにあるコロッセオ(Colosseo)。ヴァスパシアヌス帝が着工し、息子のティトス帝によって紀元80年に完成した円形劇場。「ローマの休日」とは元々こうした場所で剣闘士と猛獣などの闘いを見せていたことを指し示す言葉です。

  • 10セント:ボッティチェッリの描いた「ヴィーナスの誕生」の女神の顔部分。メディチ家のお抱え画家として製作が依頼されたもので、現在はフィレンツェのウッフィツィ美術館に所蔵されています。

  • 20セント:ウンベルト・ボッチョーニ(Umberto Boccioni)の彫刻で「空間における連続性の唯一の形態」と題された作品。ボッチョーニは20世紀初頭にイタリアで誕生した未来派と呼ばれる芸術一派の旗手で、既存の文化の破壊などを訴えていました。その理念は第一次大戦の勃発という文字通りの破壊により沈滞しましたが、近代芸術に大きな影響を及ぼしました。

  • 50セント:ローマのカンピドリオ広場にあるマルクス・アウレリウスの銅像。この広場に描かれた幾何学模様はミケランジェロによるデザインで、この広場の正面にローマ市庁舎があります。

  • 1ユーロ:ダ・ヴィンチがデッサンした「ウィトルウィウス的人間」。ウィトルウィウス自身を描いたものではなく、彼が理想としていた定数比率をダ・ヴィンチが人体を使ってデザイン化したものです。科学者としてのダ・ヴィンチの思想がよく現れています。

  • 2ユーロ:ダンテ・アリギエリ(Dante Alighieri)の肖像画。描いたのはラファエッロで、1509年ヴァチカンの署名の間の「聖体の論議」(Il Parnaso)に描かれているダンテの横顔が採用されています。

こうしたデザインを見ているだけでもイタリアの特色がよく現れていると言えます。人類史上に誇るべきルネサンスの三大巨匠の名が顔を出し、イタリア共和国の最初の首都であったトリノの建造物、そして次の首都であり中部の大都市であるフィレンツェにあるボッティチェッリの絵画、現在の首都のローマを代表する建造物、そしてバランスを取るためか南部から世界遺産の建造物を選んでいることです。

何故かミラノが外されていることが不思議に思えるのですが、ミラノはイタリアの首都には一度も選定されていないことが影響したのでしょうか。ただしボッチョーニの作品は元々ミラノの近代美術館に展示されており、その後ベルギーに渡ったものの修復のために里帰りしていることなどを考慮したのかもしれません。



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イタリア語一口メモ 

イタリア人には長らくリラが親しまれてきましたが、リラの時代はとかくインフレが激しい時代が続きました。このため単位が大きくなり、コーヒーの立ち飲みで1,400リラほどもしました。現在のユーロではコーヒー一杯が0.80ユーロほどと、極端に小さくなってしまいましたから、細かいお釣りなどの受け取りには比較的おおらかになっているようです。リラに換算したらとてもおまけできないような数字だということがわかっていないのかもしれません。





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