ドイツ語翻訳 ( 日本語 ⇔ ドイツ語 )、ネイティブチェック、英独、独英、和独 ( 独和 ) 翻訳

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言語と文化の特質 ・ 相違を踏まえた自然なドイツ語翻訳

夕焼け
Elb Foto (CC)


子供時代にドイツ語圏で過ごし、現在主に英文和訳、そして時にドイツ語翻訳を手がけています。こうした経験をもとに、ネイティブの感覚と日本語を結びつける上で、少しでも自然なドイツ語翻訳を可能にするためのヒントについて幾つか記してみたいと思います。

まずドイツ語についていえることはそれが数ヶ国語で話されている言語だということです。私の場合はスイスに居住していましたが、基本的には Schriftsdeutsch, または Hochdeutsch ( 書き言葉のドイツ語、または高地ドイツ語 ) と呼ばれるドイツ語を学校 ・ 高等教育機関では用います。そのため翻訳の場合の言語は基本的にはどのドイツ語圏においても統一されているいわゆる 「 標準ドイツ語 」 になります。しかしもちろん話し言葉として、方言が文章化されているエッセイ ・ 文章などの場合もありますので、その際には注意が必要です。

  • 再帰動詞 → 一度日本語に直訳してからニュアンスを確かめ、日本語に直す(これは頭の中で自然に、瞬時に行うプロセスです)
    例: Let’s meet at 4 o’clock. → Wir treffen uns um 4 Uhr.
    日本語にする際にはまず直訳で「私たちは私たちを4時に会わせます」と訳し、treffenは再帰動詞であることを確かめ、「私たちは4時に会います」→「それでは4時に会いましょう」と訳します。
  • ドイツ語で、名詞までの修飾節が長い場合は、途中日本語で動詞を入れて切っていく
    例: eine dicke, schon 40 Jahre geheiratete Frau kommt zur mir und sagt:
    太った、もう40年も結婚している女性が私のところへきてこう言う
  • ドイツ語では名詞が複数形か単数形かで状況把握がしやすいが、同時にドイツ語は非常に合理的かつ直接的で正確性を求める言語であるため、文章が固くなりすぎる場合には故意に日本語では少し和らげる ( 必要がない場合あえて単数 ・ 複数の有無を訳さない方が日本語では自然に伝わる場合もある。)
    例: Es gab drei Libellen im Wind. 風の中にはとんぼが飛んでいた。 
  • Kamikaze, Kimono, Tatami, Samurai など、日本語がドイツ語化している場合があるが、例えば Samurai はサッカーなどで 「 勇敢な行動・プレー 」 に対しての賛辞でも使われるため、敢えて 「 侍 」 ではなく、「 サムライ 」 ( 外来語化した日本語としての扱い ) などと、カタカナで伝えた方がニュアンスが出る場合がある。
  • 方言を訳す時には方言辞典をもっていると便利
    住んでいたスイスでは、スイス ・ ドイツ語という、ドイツ人でも理解不可能と言われる言葉 ( 方言 ) が使われていますので口語的な言葉が含まれている場合には、方言をまとめたもの ( 各地方は非常に誇りをもっておりまた方言を残したがっていますので、それぞれの地域でたいがいミニ辞典のようなものが準備されています。) を調べると便利です。
    例: Hoi zämä! ( みんな、こんにちは! )= スイス ・ ドイツ語
以上何点かではありますが、参考になりましたら幸いです。

インタビュー
By Patrik Tschudin (CC)
ドイツ語は固くて正確 ・ 合理的な言語です。この直線的な言語の特質を理解しドイツ語翻訳、特に文化的な文章を翻訳する必要があります。ドイツ語原文の特質を保持したままではともすると固くて直線的な表現になり、日本語にした際に違和感や強すぎる表現 ( 時に不快感まで与えてしまいかねない ) が出てきがちです。円や曲線を描くスタイルの日本語にうまく適応させていくことも、ドイツ語翻訳者として必要なスキルなのではないかと思っています。単語や言葉面に気をとらわれることなく、最低限伝えるべき必要な情報は残しつつも、文化的な違いを配慮しながら、最終的には日本人が日本語として自然に読める言葉 ( 翻訳であったことがほとんど分からないくらい ) にしていけるといいですよね。ドイツ語圏と日本のかけ橋、文化の伝達者としての誇りと使命感をもって、これからもドイツ語翻訳を行っていきたいと思います。

イメージ: ドイツ語 → 日本語



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※これを四角のまま日本語に残してしまうと時に読みづらく、不快感まで与えてしまう表現になってしまう恐れあり。きちんと日本語的な、曲線的な表現になっているかチェックしましょう。


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街並み
By Kecko (CC)

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ドイツ語一口メモ 

 明治以来の近代化の過程でドイツを主要な範としてきた日本では、ある時代までドイツ語が熱心に学習されていました。現在では第二外国語としてのドイツ語の学習人口は減少傾向にありますが、このような歴史的な関連のあるドイツ語の単語のうちには、私たちの日常の言葉にもすでに馴染みの日本語となって定着しているものがあります。カルテやアレルギーといった医学用語がその代表例ですが、その他にも政治経済や音楽そして医学以外の科学の諸分野にも及んでいます。近年は日本にとってのアメリカや中国の存在が大きくなっていますが、それでもなおドイツとその文化が日本にとって遠いものではない証左ではないでしょうか。



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