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フランス語を話す地域――マグレブ

砂漠
By Pavlo Boyko (CC)


パリで暮らしているともちろん多くの移民と出会いますし、また彼らとの交流が発生します。アラブ系のマグレブ ( 北アフリカのモロッコ、チュニジア、アルジェリア ) の出身者が多いのです。概してなまりの多い発音ですが、フランス語を実によく話します。また、これは意外に気づきにくいことですが中東のレバノン、シリアあたりからやってきて、パリでレストランを開いたり、外交関係の仕事をしているアラブ人も多いのです。フランスはマグレブや中近東のアラブ圏との関係をたえず強化しているので、このような現象が発生するのです。

フランス語はフランス本国以外でかなりの国、地域で話されています。そうしてそうした国 ・ 地域でフランス語が話されるようになった理由はさまざまです。たとえば、カナダのケベックはよく知られています。米国大陸が発見された後、新大陸に入り込んだのは英国人ばかりではありませんでした。フランス人はカナダ地域ばかりではなく、現在のアメリカ合州国にまでかなり入り込んでいました。その名残をいくらでも現在のアメリカに見いだすことができます。たとえば、ジャズの発祥地として有名はニューオーリンズは 「 Nouvel Orléans 」 つまり「新オルレアン」という意味ですし、また 「 バーボン ・ ウイスキー 」 とはフランスの王朝Bourbon から取った名前であることはよく知られています。フランスは自分たちの植民した地域を後に英国に売却してしまいました。また、中米にあるマルチニックにもフランス語を話す人たちがいます。ここはフランスの植民地にされていたからで、現在はフランスの海外県になっています。

さらにはフランスの北、ベルギーの南半分はワロニーといってフランス語を話すことはご存じだと思います。ここはフラマン語を話す北半分に経済的に水をあけられてしまったために、現在分裂の危機にあり、ときどき新聞の紙面を賑わすことになります。スイスにもフランス語圏があることはご存じの通りです。

しかし、なんといってもフランス語圏として興味深いのは、北アフリカに位置するマグレブ3国 (アルジェリア、チュニジア、モロッコ ) でしょう。これらの国々はフランスの植民地とされていたか、その強い影響下にあったためにフランス語が影響力をもっているわけですが、ここで注意すべきはフランス語はもちろん彼らの母語ではなく、第2言語なのです。

私は、パリでパン屋さんを探しているアルジェリア女性に道を聞かれたことがありますが、聞くと彼女は前日に結婚のためにフランスに初めて足を踏み入れたと言っていました。フランス語は実に流ちょうに話すのに、パン屋さんの場所はまだ知らないわけです。それで「どこでフランス語を勉強したのか」尋ねたのですが、それはもちろん故国での学校教育によるわけです。

それによると初等教育の段階からかなりみっちりとフランス語を教えているようです。マグレブ諸国では英語はほとんど通じないで、外国語といえばフランス語しかない状況であると聞いたことがありますが、それもむべなるかなと思いました。しかしマグレブ諸国でのフランス語の位置は、 英語のようなものとは違います。われわれは日本語でどんなに高度な概念でもだいたい操ることができますが、アラビア語あるいはベルベル語ではおそらく高度な知的なことに関してそれを表現する単語がなくなるのだと思われます。つまり高学歴に必要な高度な知識の習得にはフランス語が必須ということになります。

こうしたマグレブ諸国、一部の中近東の、フランス語がよく使われる国はわが国との経済的な結びつきが弱いので、あまりわが国で話題になることが少ないのですが、アルジェリアにはかなり長期に亘って、日本からのさまざま工業プラントの輸出と設置の業務が行われていると聞きますし、モロッコは観光地として女性雑誌などで報道されることも多いのです。いったいにアラブ諸国での日本の評価はとても高く、どうしてかと尋ねると「お金持ちそうでこぎれい」というありきたりの評価は別として 「 日露戦争に勝ったから」と判で押したように言うのは、驚かされます。学校でそういう教え方をしているのでしょうか。非西欧人 ( この場合は日本人 ) が西欧人 ( ロシア人 ) を打ち負かしたのは、非常に画期的な事件として記憶されているようです。



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フランス語一口メモ パリ13区、その2 Butte aux cailles

 13区の商業的な中心はなんといってもPlace d’Italie だと思います。この広場の脇にはジャック ・ シラクが好んだ建築家、丹下健三氏のデザインになる商業ビル ≪ イタリー2 ≫ がありまして、フナックもあり、ザラもあるので、都心に出るのが面倒ならばここでだいたいの買い物がすんでしまいます。このPlace d’Italieから南西にぶらぶら歩いていくと道がゆっくりと上っていきまして、まったくそれまでとは違う風景にであうことになります。ここがButte aux cailles ウズラが丘です。いわばセーヌ左岸のモンマルトルというわけですが、モンマルトルとおなじように以前はのどかな田園だったようで、今でも狭いながら庭付きの家も見ることが出来ます。さすがに、現在はお店などは間口の狭いものが多いですが。ここは田園地帯独特のなだらかさばかりでなく、パリコンミューンの際に反乱派が最後まで抵抗した場所として有名で、それを記念したミュゼ、そうしたテーマの本をだしている出版社、ちょっとおしゃれでクセもありそうなカフェ、レストランにひとびとたくさん座っているのを見ることができます。ここには古きよきパリが残っているので、人々の人気を集めているのでしょう。


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