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贅沢の国、フランス?

食べ物
By Adam Baker (CC)


最近はわが国でも長く続く不景気のせいで消費性向が変わってしまいましたが、いっぽう銀座の路面店には世界的な高級ブランドが目白押し、女性雑誌にもそういう記事ばかりで、こういう華やかな世界のイメージはあまり変化が見られません。そして、高級ブランドといえば、フランス、このイメージもまったく崩れません。日本からパリにいく観光客は、オペラ座界隈でブランド品を買いあさって帰る人も相変わらず多いので、「フランスといえば高級品」というイメージは崩れそうもありません。

しかし、パリで街を歩く人々を見ればヴィトン、エルメスを持ち歩く人など数えるほど。フランス人の友人ができてみればすぐわかりますが、意外と質素な生活ぶりです。実際のフランス人の生活と、外国人がフランスに対してもっているフランスのイメージとのあいだにはおおきな格差があるのです。

フランスはもともと宮廷と貴族の文化を売りしてきたところがあって(18世紀にはロシアやドイツの宮廷ではフランス語を話しました)、そうした貴族の文化、調度品などを現在では資本主義的な商売の種にしているのです。こうしたものははっきり言って外国への輸出向けです。たとえば、コニャックのようなお酒にしても現在は90数パーセントは輸出に廻されると言います。

言ってみればこうした輸出向けの産品は階級的な歴史を担っているわけですが、それがアメリカや日本の大衆文化状況のなかでは一般大衆に享受されるようになっているわけです。アメリカや日本ほどには大衆社会状況が進んでいないフランスでは、一般の庶民はそういうブランド品には手も出ないし、興味もありません。フランスでは図式的に言えば幹部層と非幹部層がどこの会社でもはっきり別れていますから。それに消費物資にしてもそれほどお金を出さないでもほどほどよいものがありますので、それで十分という考え方も根強いわけです。

こうした階級による落差の問題ばかりでなく、フランスではパリと地方のあいだにある落差も大きいのです。地方では収入も少ないので、実際問題としてそれほど派手な消費生活など夢にも考えられません。そうは言ってもフランスでも地方都市を見ていると、商店・商品のブランド化は進んでいて、たとえば、われわれがだれでも知っているような国際ブランドの店はニースやリヨンのような大都市になればたやすく見ることができますが、もうワンランク小さい地方都市になりますと、全国ブランドの店でもフランスの国内でしか知られていない店ばかりになります。ブランド化は進んでいるだけど、世界的なブランド化とはサイクルが異なっているのです。

あと、フランス人固有の贅沢としてヴァカンスのことがよく話題になります。フランス人は毎年、法律で5週間の有給休暇をもらい、7月、8月は仕事がストップししまうところもあるほどです。彼らはヴァカンスのことしか考えていない、とよく言いますし、実際彼らにとってヴァカンスは最大のイヴェントなのでしょうが、ところが贅沢を出費の大きさではかるならば、彼らの一月にも及ぶヴァカンスは、意外とは慎ましいものなのです。それは海外にはあまり行かない、国内でも親戚・友人のところに逗留する、あるいはキャンピングカーを自家用車で引っ張っていって、川の畔のキャンプ場に長逗留する、食材は近所のスーパーから買ってくる、等々、意外と堅実なのです。

しかしこのようにあまりお金を使わずに人生を愉しむ技術とエネルギーにはやはり脱帽ですね。


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フランス語一口メモ パリところどころー中華街、その2

パリには東のベルヴィルにも中華街がありますが、規模から言うと13区の方が大きく、安心感もあります。7番線のTolbiac から Porte d’Ivry にかけてかなり広い地区に渡ってあの独特の門構え、けばけばしい照明で目立っていて、総店舗数は驚くばかりです。また横浜等の中華街ほど密集していなくて、ばらばらと展開しているので、行けども行けども尽きないという印象を持ちます。13区はもともとあまり歴史のいわれもない民家が建ち並んでいただけだったのですが、戦後高層団地街をつくって区画整理に乗り出したところ、非常な不人気で入居者がいなかったところへ、ベトナムやカンボジア出身の華僑、亡命者が大量に入り込んだと言われています。そのためか、ここでいただく中華料理はわれわれがイメージしているような、油と強火で仕上げたこってり料理ではなく、ベトナム、タイ、カンボジア風がはいったもっとあっさりしたものになっています。こうした料理は、日本料理と並んで「ヘルシー」というイメージで人気があります。つまりフランス人にとっての中華街は我々日本人にとってのエスニック料理のような位置づけのように思われます。店の方もそのことを意識して、ベトナム風、タイ風を強化しているように思われます。

また、こうした店は子ども連れも嫌悪しないので、異文化カップル、子ども連れがたくさんいて、見ていても楽しいものです。


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