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日仏カップルの諸問題(1)――パリ生活、理想のハイライフ?

家々
By Bert (CC)


フランス語翻訳を考えるときに、日本人のフランスに対する目が曇っていて、そうした目でいつも見ているために現状認識が狂ってしまうと言うことがあります。その例として、グローバリゼーションのなかの偏見・逆偏見とでもいうべき現象があります。現在はまぎれもなくグローバリゼーションの時代で、これはどう転んでも変更はできないことでしょう。

ご存じの通り、現在の世界恐慌に近い状態があったとしても、1929年恐慌のときのように世界中がブロック経済に別れて争い合うようになるとは、ちょっと考えられません。このように滔々たるグローバリゼーションの流れは止められないとして、それは物資の交流ばかりだけでなく、当然人の移動も含むのです。そして、その典型的な例が国際カップル、国際結婚です。もういちど、確認しますがこのような動きは、世界の現在の流れから言って止められないものであり、ある意味では慶賀すべきことでしょう。世界が一つになっていくわけですからね。

しかし、国際カップルには国際カップルに固有の問題があります。また、その国際カップルに固有の問題の中に、現在のグローバリゼーションの持っている性格・問題点などが明らかになるようにも思います。

そういう観点から、国際カップル、とくに日仏カップルが実際にはどのようになるのか、どのような問題点を抱えるのかについて、一瞥してみたいと考えます。

日仏カップルを考える際に、最初に気が付くのは、日本人の女性とフランス人男性のカップルは非常に多いが、その逆の組み合わせは非常に少ないということです。もちろん、日男仏女という組み合わせはないではありませんが、わりと偏っていて、たとえばフランス政府の給費留学生として在仏して、その際に知り合って結婚したというような日本男性がエリートのケースが多いのです(もちろん、一概には言えませんが)。

それ以外はほとんど日女仏男の組み合わせです。これはいったいどうしたことでしょうか?それはおそらく日本人女性にとって、フランス人男性と結婚するといことがある種のステイタスになっているのではないでしょうか?

たとえば、中村江里子という元キャスターでフランス人と結婚してパリで暮らす女性がいます。彼女はなかなかの美人で、しかも銀座の老舗の娘、夫君はパリで暮らす男性実業家(父親から譲られたあるモードのブランドの経営者)中村さんは、インターネットでご自分のお洒落なパリ生活の一部を公開されています。またときどき本を書いて、東京で出版をされていますが、この人が東京で新著プロモーションのサイン会を開くと500名ほどの女性が中村さんのサインを求めて並ぶと言われています。ですから、これが現在の日本人女性のひとつの理想として、こういうフランス人実業家との夢のような結婚生活、お洒落なパリ生活、ハイライフ、という形で流布しているのではないでしょうか。

しかも日本で発売されている女性誌は年に一度は必ずパリ特集をやっていかにもすばらしいパリのモード、食品、小物、雑貨、流行のカフェ、バー、ブチック、新規開店の店、新しいミュゼ等々、芸術とグルメと恋の国フランスのイメージを振りまくことに余念がありません。

こうしたフランスでのお洒落なハイライフを満喫しているのは、現在では日仏カップルばかりではありません。パリで活躍する日本人パティシエと元テレビキャスター、あるいは流行の日本人小説家と女優等、日本人でも頑張ればお洒落なパリ生活を満喫できるのです。

しかし、こうした素晴らしい夢のパリ生活のイメージがマスコミで流布する一方で、フランスで「パリ症候群」なるものの存在がよく知られています。過大な夢を抱いてパリで暮らし始めたのだが、冷たいフランス人、非効率な社会、意地の悪い日本人同胞などのせいでノイローゼになってしまう人たちのことです。

このように強いあこがれと激しい挫折感が渦巻くのが日仏関係の現状なのです。


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フランス語一口メモ 日帰りでいくパリ近郊の旅
オベール=シュル=オワーズ

オベールはゴッホ終焉の地として有名で、かれが人生最後の70日間にここにいてつぎつぎと傑作を描いたことはよく知られています。
いってみれば、このパリの北の小村はゴッホの記憶とその匂いに満ち溢れていると言えばよいでしょうか。彼がキャンバスをたてた場所もわかっていますから、そこに立って、描いているときのゴッホの思いを想像してみると面白いかもしれません。
しかし、この村はそればかりではありません。ゴッホが頼っていった医師のガシェがここで暮らすにいたったのはもともとここの近くのポントワーズにピサロがいたり、またここでしばらく滞在したセザンヌがここの情景を何枚も描いたりというように、ここがもともと芸術村だったからなのです。バルビゾン派と印象派をつなぐ重要な画家、ドビニーのいたアトリエもありますし、現在印象派美術館のようになっているシャトーもあり、この村に残っている風景画の濃密な記憶を堪能することができます。


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