英語、日本語、フランス語をつなぐ翻訳会社がお届け : バルビゾン、印象派、ポンタヴェン派

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バルビゾン、印象派、そしてポンタヴェン派と、土地の魅力

ステンドグラス
By Jean-Pierre
Dalbera (CC)


フランス語の翻訳を考えるときに、最初に必要なのは社会・政治向きの知識が必要でしょうが、文化の知識も必要です。とくに印象派はフランスを代表する美術の運動ですから、必須です。

フランスでは、美術アカデミーの権威の衰退とともに、印象派を始めとするさまざまな絵画上の流派が現れました。印象派の前にはバルビゾン派がありましたし、また印象派の後継として、ゴーギャンらを中心とするポンタヴェン派もありました。

こうしたいくつかの絵画運動のなかでも、印象派というと、まずこの派独自の光に関する理論が思い浮かびます。それは当然のことですが、もうひとつ上に名前をあげたいくつかの絵画上の流派はある特定の土地の思い出と結びついているという特徴があります。

印象派はパリ近郊のとくにセーヌ河のほとりが有名ですし、またバルビゾン派は名前の通りパリの南東60キロほどのところにあるフォンテーヌブローの森のはずれの寒村、バルビゾンを拠点とする運動でした。また、ポンタヴェン派も名前の通りブルターニュの海辺の村ポンタヴェンに集った画家たちの緩やかなグループです。

ここで名前をあげた三つのグループはいずれも風景画の流派ですから、地方の田園風景を拠点とすることは納得のいかないことではありません。しかし、ポンタヴェンや、セーヌの辺など、どうして特定の場所に集まったのでしょうか。

フランスはご承知のとおり、山があまりない非常に平坦な土地でして、緑が多く、平野のなかをゆったりと川が流れていたりして、どこも非常に魅力があります。というか、魅力のある土地はたくさんあって、それほど決定的な優劣があるとは思えません。たとえば別荘を建てるにしても、あまり特定の土地に集中はしないのす。

それでは、画家たちはどうして、特定の場所に集まって、それ以外の土地にはいかなかったのか、という問題が生じます。

これは難しい問題ですが、簡単に言うと、風景以外の伝統とか、その土地への人々の集まり具合、とか、あるいはよい宿屋があるかどうか、といった要素が影響したのではないでしょうか。

たとえば、バルビゾンはフォンテーヌブローという大きさでも歴史上の重要性でも有名な森のほとりにある寒村でした。フォンテーヌブローは英国的な美学に浸透されて、18世紀から人気が出てきまして、多くの画家の卵が集まったり、デートの場所として利用されたりしました。実はフォンテーヌブローの森の周囲にはバルビゾンに似た性格の村がいくつもあり、とくにどの村がどう、という差はなかったのですが、19世紀に入ってからバルビゾンに宿屋ガンヌ館ができて、ここの宿がお安く、宿賃を待ってくれたり、また森へ出かける画家たちの弁当をつくってくれたりと、いたれりつくせりだったのでここが画家たちのたまり場になったのです。
ポンタヴェンでも似たような性格の安宿があったのです。
また、ノルマンディーのオンフルールのすぐ西側にあった民宿サンシメオンに集まった画家たちウジェーヌ・ブダン、ヨンキント等がプレ印象派を形成したこともよく知られています。

当時の画家たちは世間に認められず、経済的に最悪の状態におかれているものが多かったので、こういう宿の存在は大助かりだったでしょうね。画家たちは、こういう宿に集い、昼は森で、田園で絵を描き、夜は宿で仲間と酒を飲み交わして、議論をしたのです。 そして、ここに長くいる内に農家のあいた納屋などを見つけて、そこをアトリエとし、定住するようになりました。


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フランス語一口メモ モレ=スュル=ロワン

この村もフォンテーヌブローの森のはずれにありまして、バルビゾンにも近い村です。
ここはシスレイが長く住んでいて、ここの風景をたくさん描きましたので有名になりました。

ひと言で言うとまるで中世の田舎町の石造りの建築物がいろいろありまして、人気の少ないときですと、まるで中世に迷い込んだような、印象さえあります。
ロワン川をまたぐ石造りの橋がありまして、橋のふもとにはまるで南フランスのカオールの橋のように塔が立っています。そうして橋の近くには水車まであって、ゆったりと水車のまわる情景をみるのはすごく牧歌的です。
このあたりは、いくつかの川が集まってきているので、この橋と水車のあたりは水量がたっぷりとしていてなごみます。天気の良い日に川沿いにならんだレストランのテラスに陣取ってご飯を食べるたりするのは、非常にゆったりとした気分を味わえます。
ちょっとパリからの交通の便があまりよくないのですが、天気のよい日曜日などおすすめできる散歩コースです。

古い石造りの立派な教会もありまして、人気のない時にこっそり入ってみるのもよいものです。
ほどほどにトゥーリスティックになっている土地ですが、まだまだたっぷりとした自然と素朴な町並みが残されている土地なのです。


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