英語、日本語、フランス語をつなぐ翻訳会社がお届け : フランスの別荘ライフ

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フランスの文化・社会を理解する

Maison de campagne――フランス人の別荘ライフ

子供たち
By Kathleen Tyler Conklin (CC)


フランス語の翻訳にあたって、事前によく理解しておくべきフランスの文化・社会情報というといろいろあります。

フランスには階級がいまでもある、その区別がわが国よりもはっきりしていると別のところで書きましたが、では、中産階級はいないのかというとそんなことはなくて、日本だったらブランド品のよいお客になりそうな層はいるのですが、この中産階級といわれる人たちの消費性向はかなり異なります。それは図式的に言ってみれば、別荘をもっているかどうか、といえばよいでしょうか。

もっともそういう分類は微妙な面もあります。中産階級がみんな別荘を持っているかとはいえないし、別荘をもっていれば、みな中産階級とも言えません。たとえば、新聞売りのごくごく小さいキオスク(人一人が辛うじて入れるような)の新聞売りのおじさんが「来週一週間休むからね」というので、聞いてみると、彼は南仏に別荘をもっているのでした、ということは現実にあるのです。しかし、そうは言っても、やはり中産階級=別荘という図式はそれなりに当たっているのではないでしょうか。

わが国で別荘というと、箱根とか軽井沢とか夏に涼しい特別な場所でなくてはならないのですが、フランスではどうかというと、フランスはご承知の通り、ほとんど平野でして、しかも夏にほんとに暑いと感じるのは、例外の夏を除いて、まあ数日です。ということは、周りに緑があって、静かで落ち着ける場所であれば、原則どこでも別荘地になるのです。

フランスとフランス語を理解するのに必要な観点は、別荘を求めるにあたっても日本とは基準が異なることです。
理想をいえば、近くに海があればよいけれど(そういう意味では、ノルマンディーなどは非常に人気があります)、なくても近くに森があったりして、緑がたくさん茂り、静かで、周囲にあまり家がなければ、文句なしです。そういうところを探して、たとえば農家の廃屋ごと、一緒に買い取って家の改造に情熱を燃やす、といったパターンが多いのです。ですから、別荘の購入費用はわが国に比べれば、かなり低廉でしょう。

地中海沿いの田舎町に別荘マンションをもつ、という手もあります。

フランスでは職人さんを頼んで家の改造をしたりするのは、大変お金がかかり、また非能率なので、みな日曜大工品のお店で必要な資材を買い集めて、休日ごとに別荘に行き、手入れ修理に熱中するわけです。じっさい彼らがこの日曜大工に投ずる情熱と時間は驚くべきもので、たとえば洗面所に設置する石けん水入れをイッコ探すためにありとあらゆる骨董市を回ったりするのです。

そうして、5年も10年もかけて、離れの屋根を修理することから始めて水漏れを止め、離れにもトイレを作り、そして内装の改善に2年をかけ、家具にきれいな色でペンキを塗り、というふうに着々とすすめていくのです。なにやら、やるべき仕事が多ければ多いほど情熱を燃すかのようです。

そうして、近所に森でもあれば、喜びいさんで午後の散歩には森に入り込み1時間でも2時間でもさまよっていたりします。小さい子どもがいてもかまわず、子ども用の水・パンその他一式をぜんぶもって森の中に入り込んでいきます。フランス人はほんとに森が好きですね。

フランス人は高級ブランドの国なのに、人々は最近はますますお洒落にはお金を使わなくなり、服装も概してカジュアルな安物なのですが、こういう日曜大工に情熱と時間とお金を投入する中産階級もいるのです。こういう点はだいぶわが国とは異なる点ですね。そこがフランス文化の特質ともなっています。


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フランス語一口メモ 日帰りで行くフランスの街――ドーヴィル

別のところでご紹介したように、19世紀ノルマンディーの海辺の避暑生活というのは非常に華やかなものがありましたが、そうした繁栄を引っ張ったのはディエップとトゥルヴィルです。ドーヴィルはこのトゥルヴィルとは、実はほぼ一体の街でして、トゥック川をはさんで東側がトゥルヴィル、そして西側の浜辺を押さえているのがドーヴィルです。

ドーヴィルはトゥルヴィルが手狭になったので、本来沼地のようであった海辺をきれいに整備してつくりました。しかも当初はたんなる海水浴場というよりは、ここに国際的な貿易港をつくってアメリとの交易に役立てようという計画があったのです。そのために、いまから考えると、ちょっと長すぎるほどの膨大な海岸地帯の整備を行いました。

しかしそのためにここはトゥルヴィルが手狭でごみごみしているのに対して、こちらのドーヴィルはゆったりとして、余裕があります。ここは近くに競馬場を作ったりして、金持ち層の誘致に努めましたので、大変シックで、高級な土地というイメージを最初から確立することになりました。パリで帽子デザイナーとして成功したガブリエル・シャネルが最初に作った支店はここドーヴィルです。また、一次大戦と二次大戦のあいだにはもっともスノッブな街として人気があり、南仏のモンテカルロと並んで盛名をはせたのです。
映画『男と女』の最後のシーンで子ども、イヌ、カップルがよろこんで浜辺を走り回るシーンはここドーヴィルの浜辺ですね。


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