専門分野に強いフランス語翻訳会社スタッフエッセー ( 日本語 ): 産業翻訳 ( 仏日 )

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産業翻訳としてのフランス語和訳

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By Ted Drake (CC)


産業翻訳とは、出版を目的とした文芸書や学術書などの翻訳 (これを出版翻訳といいます)に対して、様々な産業界や官庁などの公的機関において実務目的で使用するために行われる翻訳を意味します。産業翻訳は出版翻訳と違って一般の人々の目に広く触れることがありませんので目立ちませんが、しかしその市場規模は出版翻訳に比べて決して小さいものではありません。グローバル化が進む現在の世界でこのような翻訳の対象となるのは圧倒的に英語と他の諸言語との間の翻訳 ( 英和 ・ 和英など ) です。しかし、フランス語を一方の極とする仏和訳 ・ 和仏訳などの産業翻訳の市場規模も、英語を除く諸言語のなかでは最上位に属するもののひとつです。フランス語圏の諸国、とりわけフランスは英語への対抗意識が極めて強く、たとえば、昨今の情報化の進展の中で英語起源のIT用語が世界に氾濫するのに抗して独自のフランス語の翻訳語を作り出し、少なくとも公文書の中ではこうしたフランス語の訳語の使用を義務付けているほどです。  

ここでは産業翻訳としての仏和訳のひとつの例として、フランスのワイン産業における年次報告書の翻訳から、いくつかのトピックスを紹介してみましょう。現在でこそワイン生産は世界中に広がっていますが、しかし伝統的にはワインはヨーロッパのしかもその限られた地域の特産物でした。そしてその中心はフランスであったといってよいでしょう。ワインの生産には原材料となるブドウの品種、ブドウ栽培のための土壌、水質、年間の気候、そして、ワインの特殊な醸造法および管理法、これらの多くの条件が揃わなければなりません。このように、ワイン生産はその性質上、どこにでも立地が可能で大量生産を行える近代産業にはなりにくく、今も昔もローカルな地場産業にとどまっています。つまり、長年かかって現在まで蓄積された製法を単純にフランス語からたとえば日本語に翻訳することによって、日本で同じワインを造れるようにするというわけにはいかないのです。ですから、ワイン生産が世界中に拡がったとしても、ヨーロッパの伝統的なワイン産業が競争に負けて衰退したり壊滅したりしてしまうことはありえません。  

フランスのワイン産業は国内市場向けとしても重要な地位を占めていますが、しかしそれだけでなく、フランスの国のシンボルのひとつとして主要な輸出品目ともなっています。従来はヨーロッパの他の諸国やアメリカ、それにやや遅れて日本が、主要な輸出先でしたが、最近ではアジア諸国の急激な経済成長と消費水準の向上により、贅沢な嗜好品としてのワインの需要が大きく伸び、フランスのワイン業界にとっては新たな有望市場として注目されています。このような動きがフランスのワイン業界にとって国内市場の伸び悩みを補って余りある販路を提供しています。特に非ヨーロッパ圏の新興諸国では、ワインは日常的な飲み物というよりも、「贅沢品」とかステータスシンボルとして受け入れられる傾向があり、そのため、高価な銘柄が売れ筋としてフランス国内でよりも大きい比重を占めることになり、業界にとってはこのことも新興市場の大きな魅力と映るはずです。  

フランスのワイン業界にとって、国外市場とりわけアジア市場がこのような急成長を示すとともに、業務の国際化が従来にもまして進展していることはいうまでもなく、英語に限らずフランス語以外の諸言語との接触も拡大しています。輸出先国の業界や特に現地の顧客との関係においては相手側の言語の使用が不可欠となり、通訳や翻訳の必要も拡大しています。また、フランス国家にとっても重要なワイン産業に係わる法律規則を改訂する必要が状況の変化に対応して一再ならず発生します。フランスの法律規則は当然ながらフランス語で記述されますので、フランスワインを輸入する諸国の関係官庁や業界にとってはこのようなフランス語文書を業務遂行上の参考資料として絶えず翻訳しなければならず、日本の場合にはその和訳が必要となることは言うまでもありません。  

このような特定の産業の実務に関連する文書の仏和翻訳にあたっては、その業界特有の用語や文体に通じる必要があり、特殊な仏和用語辞典を参照したり大きな辞書を詳しく調べたりしなければなりません。と同時に、このような文書に頻用される語彙はそれほど多くはなく、一旦なれてしまうと、この種のフランス語を日本語に翻訳する作業はかえって楽になることが多いようにも思われます。



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フランス語一口メモ パリ3区

パリはカタツムリ(escargot、エスカルゴ)の殻の螺旋のように右回りに1区から20区までが並んでいます。それぞれの区がそれぞれの魅力を持っています。パリの中心に位置する3区とは、どんな区なのでしょうか?
3区は2区の西に位置し、既製服製造のアトリエや、かばんやアクセサリーなどの卸売店がひしめく北部と、シックでおしゃれなマレ地区がある南部のコントラストが特徴的な区です。特に、アトリエや卸問屋が集まる地区は中国系が経営する中国人街となっており、中華レストランも多くみうけられます。マレ地区界隈に行くと、おしゃれなショップ以外に、小さな美術館が点在しており、歴史を感じさせる建物が多く見受けられます。


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