フランス語 ・ 英語 ・ 日本語 ・ 多言語の翻訳会社スタッフエッセー : 記号表記

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フランス語翻訳の問題点――フランス語の記号の表記の問題

街並み
By Marc Dupuy (CC)


フランス語翻訳でさまざまな記号の表記の問題が意外と厄介なのです。

フランス語の記号をどう日本語の記号に移すか、またその逆にフランス語では記号がないものをどう日本語で記号化するか、という問題もあります。

たとえば、フランス語の「:」deux pointsと、「;」point et virguleは似通っているようですが、まったく意味がことなります。

「:」(deux points)は基本的には、イコール(等号)のような意味をもっていまして、記号の前の文と後の文をイコールの関係で結びつけます。具体的には、「すなわち」というように説明を加えたり、あるいは「なぜならば」というように、後が前の理由になっていることもよくあります。

これに対して、「;」(point virgule)は読点「,」と句点「.」の間くらいの強さをもった切れ目です。ある程度強い切れ目ですから、これは原則として、ここで、日本語の「。」をつける(つまり文章を終わらせる)という原則を立てておいてもよいでしょう(あくまでも原則ですが)。

そのほかに、わかりやすい例では、2語以上でできた一つの固有名詞を示すときには、間にナカグロ「・」をいれます。たとえば、シャルル・ボドレールという風にします。原文では、これはただのスペースです。

また、フランス語でチレ「-」が入っている場合は、原則として、「=」を入れます(ほんとうは、半角の「=」のほうができあがりが美しいように思いますが)たとえば、フランス語では複数の名詞を組み合わせて作った一つの固有名詞(特に土地の名前)はたとえば、Charite-sur-Loire のように書きますが、これはですから「シャリテ=スュル=ロワール」と訳すことになります。

このようなフランス語翻訳の原則がわかれば、割合とラクに表記問題を解決できるはずです。
たとえば、Jean-Paul Sartre は「ジャン=ポール・サルトル」となりますね。
(しかし、現在朝日新聞等は「ジャンポール・サルトル」という表記を採用しています。「ジャン=ポール」という表記がうるさいと考えているのでしょうか)

たしかに、この「=」という記号は多用すると、ちょっとうるさいということは言えると思います。

たとえば、Boulevard Saint-Michel 「サン=ミシェル大通り」と書くべきところですが、こう翻訳するとちょっとうるさいので、「サンミシェル」のほうが普通ではないでしょうか。

聖人を表すsaint のあとの「-」はとってしまうケースをよく眼にします。

ところで、かの有名なMont Saint-Michel はどう翻訳すればよいのでしょうか。これはフランス語表記でも2種類あって、冒頭のmont (山)を普通名詞として取れば、Mont St-Michel ですし、これも固有名詞の一部と考えれば、Mont-St-Michel となるはずです。ですからこの二つのフランス語表記にしたがって、「モン=サンミシェル」か、あるいは「モン・サンミシェル」となるのでは、ないでしょうか。

フランス語翻訳では、作品名は原則としてイタリックで表記します。これは日本語に翻訳する場合、『赤と黒』のように、2重のカギ括弧をつかって表記するのが基本です。ただし、絵画作品の場合には≪デルフト光景≫のように、ギメをつかうことがあります。また論文は原則として「ボドレールにおける雲の役割について」のようにカギ括弧をもちいて表記します。
このようにフランス語翻訳にあたっては、各記号についても細かい配慮が必須です。


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フランス語一口メモ 日帰りでいくフランスのまち

トゥルヴィル(ノルマンディー)

ここは行ってみると、現在はやや寂れた雰囲気さえただよわせていますが、19世紀にはスノッブな海辺の町として海水浴の発展と共にディエップとならんで非常な繁栄をしめしました。

当時はまだ南仏のリゾートがありませんでしたから、ここノルマンディーのディエップ、そしてここトゥルヴィルを中心にした夏の繁栄は大変なもので、英国、東欧等の大公がやってきて、またこうしたお金持ちをお目当ての女性たちもやってきたりして、その浜辺での、そしてカジノでの騒ぎは大変な物でした。女性たちは当時の服装コードに従って、一日に何度も服装を変えたと言われています。

現在はトック川にそったレストラン街、狭い道に密集したホテルなどで往年の繁栄をしのぶ程度ですが、海岸は相変わらずきれいで、対岸のル・アーヴルのまちもよく見渡せます。実はこの浜辺をずっと東の方へ歩いていったはずれに《ロッシュ・ノワール》という高級ホテルが19世紀後半にたちまして、そこにたくさんの着飾った人々が集まったのです。このホテルは、モネが1870年代にその華やかな姿を描きましたし、90年代にはプルーストが常駐、その後、ホテルが分譲マンションになってしまうとマルグリット・デュラスが一室を購入して別荘として使ったことでよく知られています。


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