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スウェーデンの歴史

文法書
By Karen Horton (CC)

スウェーデンが、まだスウェーデンではなかったころ、このあたりで発掘調査などから、今からおよそ14000年前から、人が住んでいたという痕跡が確認されています。古代ローマの歴史家、タキトゥスの書物 「 ゲルマーニア 」( 紀元98年 )の記述によると、スカンジナビア人は、陸軍と水軍を持ち勢力を振るっていたということです。

その後紀元800年ごろからヴァイキングの時代が到来します。他のヨーロッパ諸国から 「 ノルマン人 」 と呼ばれ、船団や艦隊を組織して、バルト海から北海沿岸で、交易や略奪を行っていました。ヴァイキングはこの略奪を行うノルマン人を指し、周辺からその野蛮さを恐れられていました。その当時小国が乱立していましたが、ようやくスウェーデン、デンマーク、ノルウェーの3王国にまとまっていきました。
スウェーデンの歴史もその頃から始まるといえます。ヴァイキングは自然崇拝や、略奪、血で血を洗う復讐劇を各地で行っていましたが、900年代にはキリスト教が伝来し、あまりの違いに戸惑いながらも、だんだんキリスト教を受け入れるようになっていきました。
1000年以降のスウェーデンの様子がわかる書物に 「 landskapslagar 」 が残っています。県の法律という意味です。最初は口伝で伝えられていたので、覚えやすいように韻を踏んだり、同じアルファベットで始まる言葉を多用したりして、土地ならではの決まりごとをあとでしるしたものです。今とは違った風習や法律が、興味深いものです。

1100年以降フィンランドを併呑したものの、内部の弱体化が進み、1397年からは、デンマークの支配を受けることになります。独立をめぐる内戦が、1435年ごろから始まり、デンマークもそれを幾度となく沈静していましたが、とうとう1518年の反乱でスウェーデン反乱軍は勝利を得ます。しかしデンマークの王、クリスチャン二世の復讐心は固く、スウェーデン反乱軍をだまして、100名以上を処刑してしまいます。( Stockholmska blodbad、ストックホルムの血浴 )その直後、100名以上の有力者を処刑して、もはやスウェーデンに反乱する力はないだろうと安心していたデンマークの思惑をよそに、若き騎士グスタフ・ヴァーサが立ち上がり、独立戦争を指揮します。ハンザ同盟の力添えもあり、その後、1523年にグスタフ一世が即位し、ヴァーサ王朝の幕が開けます。その後も戦争を重ね、勢力を広げていきましたが、1700年以降、王権は弱体化し、自由の時代がやってきます。

フランスでフランス革命が起こり、スウェーデンは戦争に参加しましたが、敗北します。1809年にはフランスの強制で、フィンランドをロシアに譲渡させられ、絶対君主制から立憲君主制に体制を改め、翌年、フランスのナポレオン元帥ベルナドットを皇太子にむかえます。ベルナドット家は、今の王室の祖先となります。スウェーデンでは、ナポレオン戦争後は、戦争に参加せず、平和が訪れ、国王による国家牽引は時代遅れとなり、ますます民主化が進みました。
科学技術や学芸も振興し、1901年に、ダイナマイトの発明で知られる、アルフレッド・ノーベルの遺言により、ノーベル賞の授与が始まりました。(ちなみに、スウェーデン語ではノーベル、と発音せず、ノベルと「ベ」にアクセントを置いて発音します。)劇作家、小説家、画家であるアウグスト・ストリンドベリや、日本では「ニルスの不思議な冒険」で知られる、セルマ・ラーゲルローフも、この頃活躍しました。1905年にはノルウェーを返還し、第一次世界大戦、第二次世界大戦にも参加せず、NATOにも加盟せず、徹底的に武装中立政策を守りました。1900年代に入り、貧富の差が広がり、作物の不作などで貧しい時代をすごすこともありましたが、社会民主労働党によって進められてきた社会福祉政策が、徐々に実を結び、第二次世界大戦以降、世界でも有数の、社会福祉大国となりました。1995年にはEUにも加盟し、経済もますます成長していきました。
2006年には中道右派、穏健党党首フレデリック ・ ラインフェルトが、戦後最年少記録で ( 当時41歳 ) 首相となり、現在に至っています。
以上、非常におおまかにですが、スウェーデンの歴史の一部をご紹介させていただきました。これからも、経済、文化、社会福祉ともに、世界でもトップレベルの成長を続け、豊かな暮らしを実現、進化しているスウェーデンから目が離せません。


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