トップページ | スペイン語圏の情報 | スペインの写真 | 直前のページに戻る

スペイン風オムレツとスペイン語


お料理
By Iria Flavia (CC)


スペイン風オムレツのトルティージャ(tortilla)はスペインの代表的な家庭料理。放射状に切って野菜などを添えれば立派な一品料理。2~3センチ四方の角切りにし楊枝をさせばパーティ用おつまみに。トルティ-ジャをバゲットに挟んだボカディージョは、ちょっと食べにくいけれどまさにスペインの味、バルやカフェテリアでもよく見かけます。

このトルティージャからスペイン語を学んでみましょう。

基本的な材料は、卵(huevos)、ジャガイモ(patatas)、オリーブオイル(aceite de oliva)、塩(sal)、好みでタマネギ(cebolla)。

まずは、ジャガイモの皮をむく(pelar)、そして、切る。普通はcortarですが、小さく(細かく)切る場合、trocearも使われます。
さて、その切り方というと、
en laminas または en lonchas 薄切り
en dados または en cubitos さいの目

好みでタマネギを加えます。ちなみにスペインのお惣菜コーナーにはtortilla con cebollaとtortilla sin cebollaの両方が並ぶほど…タマネギはen tiras/juliana(tirasより長い細切り)、または粗みじん(trocitos)にします。

フライパンにオリーブオイルをたっぷり(ジャガイモが浸る位)入れて熱します(calentar)。ジャガイモを加え(好みでタマネギも)柔らかくなるまで、ゆっくりと焦げないように炒めます(蓋をすると油がはねるのも防げて良い)。ポイントは「煮炒め」。

さて、「炒める」には色々な単語があります。

freir: 熱した油で材料を中火・強火で炒める、または揚げること
sofreir: 材料を100℃以下の低温の油で軽く調理することで、焦げないように材料をかき混ぜながらさっと炒める。
rehogar: フライパンや鍋に油(適量)を熱し、野菜などを弱火で炒め、蓋をして調理すること。煮込み料理の「下炒め」など。
saltear: 少な目の油で材料を炒める(ソテー)すること。火加減は中火から強火。
sudar: 厚手のフライパンや鍋に蓋をしてとろ火で材料をゆっくり調理すること。食材から出る水分を利用。(本来は「汗をかく」の意)
pochar: sudarと同義で、特にタマネギを焦げないよう弱火でしんなりさせる場合に使われる。

火加減は、
a fuego lento, debil, bajo 弱火・とろ火。lentoはゆっくり、スローフードのスローと同じ。
a fuego moderado, medio 中火
a fuego vivo, alto, fuerte 強火。vivoという単語で火の勢いがよく伝わる

さて、トルティージャの場合はfreirがよく使われますが、きつね色に揚げる(dorar)のではなく、ゆっくりと柔らかくなるまで弱火で調理するとあります。またはrehogarという単語も使われます。

その間に、卵をボウルに入れ、かき混ぜ(batir)ておきます。batirは「攪拌する、泡立てる」、生クリームをホイップする場合にも使われる単語です。ちなみにホイップクリームはnata montada(crema batida)。

塩を少々(un poco de sal)卵液に入れるか、またはジャガイモに直接ふります。塩を一つまみならuna pizca de salといいます。トルティージャにコショウ(pimienta)はしませんが、スペイン語には便利な単語salpimentar(sal+pimientaの動詞形)があり、ずばり「塩コショウをする」という意。

ところで、塩味は好みで(segun gusto)量を加減しますが、ちょうどいい塩加減で(al punto de sal)あるというのは意外に難しいもの。「塩味が足りない」というスペイン語はsoso。コクがない、という場合もこの単語で言い表します。La tortilla esta sosaなんて言われないよう気をつけましょう。このsosoには「素っ気ない」「面白みがない」という意味もあり、人に対して使うほか、ぱっとしない芸術作品やデザイン、つまらないジョーク、退屈な映画などでもこの単語を使えます。

柔らかくなったジャガイモは余分な油を切り(escurrir)、卵液に加えたらよく混ぜます。
フライパンに油を適量よく熱し、ジャガイモ入りの卵液を流します。中火で片面を焼きます。卵が固まり(cuajar)始め、フライパンの縁の卵が焼けてきたらひっくり返します(dar la vuelta)。

どうやってひっくり返すか?フライパンより少し大きい平たい皿(または平らなナベの蓋)をフライパンにかぶせます。手を広げ皿をしっかり押さえ、フライパンを一気にひっくり返し、トルティージャを皿に載せます(つまり、焼けていない側が下)。このトルティージャをそのまま皿から滑らせて、フライパンに戻します。こうして反対側も焼きます。外側が軽いきつね色に焼き上がると理想的。

焼き加減ですが、中までしっかり火を通す、または少し半熟状態など、お好みに合わせてどうぞ。また、3~4cm程の分厚いトルティージャにしても、薄いトルティージャにしてもよし。熱々の出来立てはもちろん、冷めても美味しい。また、刻んだピーマン(pimiento)も入れたり、ジャガイモを調理するときローリエ(una hoja de laurel)またはニンニク一片(un diente de ajo) を加えたり、また卵液に牛乳(または生クリーム)を少し混ぜたり、隠し味も様々。バリエーションが楽しめるトルティージャ。いろいろ試して自分なりのトルティージャを見つけては。


エクスコムシステム ランゲージ サービス

スペイン語翻訳、スペイン語校正などの日本在住代表者連絡先 : honyaku@excom-system.com
( お支払いは日本国内の銀行口座を御利用いただけます。)

スペイン語翻訳、スペイン語校正以外の英語翻訳、英文校正、多言語の翻訳と校正も承ります。


tortillaを使った表現

スペイン風オムレツであるトルティージャを使ったこんな言い回しがあります。

volverse(dar la vuelta) a la tortillaというと、状況や運命が予想に反し大きく変化すること。つまり、予想外の展開、どんでん返しが起こる、という意味。
En pocos minutos el jugador dio la vuelta a la tortilla con 2 goles y el equipo gano el partido.
(その選手が決めた2ゴールによってわずか数分で一気に流れが変わり、チームは試合に勝った。)
hacer tortilla a alguien o algoは、ペチャンコにする、粉々にすること。

いくらトルティージャが好きでもSoy tortilleraと言うと誤解を招くので、くれぐれも気をつけて。



このページの先頭へ

エクスコムシステム ランゲージ サービス(ELS) Copyright 2009無断転載禁止。