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ローマ時代の名残り


橋
By Francisco Antunes (CC)

ローマ時代の名残り

スペインの国名Espanaの語源は諸説あります。そのうち最も有力なのは「Hispania」。
Hispaniaとはフェニキア人がイベリア半島につけた名前。他にフェニキア人が現在のセビリアにあたる都市を「Hispalis(東の都市)」と呼び、後にローマ人がイベリア半島全体をそう呼ぶようになったためとも言われます。

さて、紀元前12世紀にイベリア半島に進出したフェニキア人のおかげでこの地における対外交易が栄えました。しかし、台頭してきた古代ローマ共和国の勢力が次第にイベリア半島にも及び、紀元前3世紀から遂にローマ人の支配下に置かれることになります。そして古代ローマから帝政ローマへ移行後、3つの属州に編成され、5世紀初めの西ゴート族の到来までその支配は続きます。

この長きに渡るローマによる支配の面影は、今でもスペイン各地に保存されています。以下にスペインに今も残る主なローマ建築物と遺跡の所在地(一部)を挙げます。

ローマ劇場(teatro romano) メリダ、カルタヘナ、サグント(バレンシア)、カディス等
ローマ円形劇場(anfiteatro romano) メリダ、タラゴナ、イタリカ(セビリア)等
ローマ円形競技場(circo romano) タラコ(タラゴナ)、メリダ、トレド等
ローマ橋(puente romano) メリダをはじめ、コルドバ、カセレス、タラゴナ等
水道橋(acueducto) セゴビア(写真)、タラゴナ、メリダ等
浴場(terma) カセレス、アランへ(バダホス)等

ローマ劇場や円形劇場では、今日も演劇や舞踊が上演されたり演劇祭が開催されます。夏の夜、ローマ遺跡に浮かびあがる舞台は幻想的で、はるか昔にタイムスリップするかのよう。

特にスペイン西部エストレマドゥラ州メリダにはローマ時代の重要な遺跡があり、世界遺産に指定されています。メリダには上記のローマ建築のほか、トラヤヌス帝の凱旋門(Arco de Trajano)や、ディアナ寺院(Templo de Diana)もあります。

このほかにも城壁、モザイクなども残されています。また、後に大聖堂などの建立に際し、ローマ建築の柱などを再利用している例(コルドバのメスキータが最も代表的)もあります。一方、まだまだ地中に眠る遺跡はあるようで、スペインで地下鉄網がなかなか発達しないのは、この埋もれた「ローマ遺跡」にあるともいわれます。

さて、スペインにはこのように遺跡としてローマ時代の名残がありますが、ローマによる支配は、経済、政治、宗教、芸術(絵画、彫刻、モザイク)などへの影響も同時にもたらしました。スペイン語もこの時代にもたらされたラテン語からの派生語です。


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スペイン語のことわざ

ローマ帝国の話題が出たところで、ローマにまつわるスペイン語の格言をいくつか紹介。

Roma no se hizo en un dia. 「ローマは一日にして成らず。」
Todos los caminos conducen a Roma. 「すぺての道はローマに通じる。」
Preguntando se llega a Roma. 道を尋ねていくとローマへ至る、という意味。つまり上記同様、全ての道はローマに通じる、ということになります。
Hablando del rey de Roma, por la puerta asoma. ローマ王の話をしていたら、王が扉から姿を現す、ということから「うわさをすれば影。」



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