スペイン語翻訳 ( 日本語 ⇔ スペイン語 )、校正 、和西、西和翻訳

トップページ | スペイン語圏の情報 | スペイン語学習 | 直前のページに戻る

約物 (4)

鯨
By Nestor Galina (CC)


ここでは約物の中でも補助的に使われる符号について紹介します。

APÓSTROFO(’)

アポスロフィは今日のスペイン語ではほとんど使われない符合です。 従って、その用法も大変限られています。

1.用法
1)前置詞や冠詞とそれに続く単語が母音で始まるとき、その2単語を結んでアポストロフィが打たれ、前置詞や冠詞の母音が省略される。旧文体、特に詩などで見られる用法で、現代スタイルに更新されずにそのまま表記される出版されることがある。
d’aquel (=de aquel),
l’aspereza (=la aspereza),
qu’es (=que es)

2)セリフなど口語表現を話し方のクセや訛りをそのまま文章化する場合。
単語の一部が無音化することがあり、それを書き表す際にアポストロフィが用いられる。
«¿Pa’qué?» (=¿Para aué? ))
«Nada de na’» (=Nada de nada)

3)他言語(英語、カタルーニア語、フランス語、イタリア語など)の固有名詞や表現を引用する場合。
L’Hospitalet de Llobregat (スペイン・カタルニア地方の町の名前)
O'Donnel (英語圏の固有名詞)


2.注意する点
スペイン語と英語におけるアポストロフィの用法は異なるため、混同しないように注意。
1)西暦を省略表記する場合、アポストロフィは不要。
1977 → 77 (間違い ‘77)
Expo 92


イベントなどの名前に開催年が含まれるとき、ハイフンで結ばれることもある。

2)頭文字語にアポストロフィ+sをつけ複数形にするのは間違い。(ONG’sなど)

3)時間の表記にアポストロフィを用いるのは間違い。ピリオドまたはコロンを用いること。
Las 17’20 h → las 17.20 h または las 17:20 h

4)小数点にアポストロフィを用いるのは間違い。
スペイン語では日本語の用法と異なり、小数点はカンマであることをお忘れなく。 2’54 → 2,54


BARRA (/)

スペイン語でスラッシュはbarra。バー(棒)と言う意味もあり、その名の通り棒のように引かれた線。
いくつかバリエーションがあるが用法は似ている。ちなみに、パソコンでディレクトリやファイル保存のルートを記す際に用いられる、左上から右斜め下に引かれたスラッシュはbarra inversa。また、

BARRA (/)

1.用法
1)前置詞の代用。
80 km/h [= kilómetros por hora](時速80Km
Real Decreto 1332/1994, de 20 de junio [= 1332 decreto de 1994] (1994年6月20日法令第1332号)
Alquiler 600 euros/mes [= euros al mes](賃貸料月600ユーロ

2)性数一致のバリエーションを付記する場合。
El/los año/s pasado/s(昨年または過去数年)
Estimado/a usuario/a:(ユーザー各位)


3)省略形の一部に用いられる。
C/ (=calle)(通り)
A/A. (=Atención a)(xxxx 宛て)


4)テキストや詩を原文通りの改行をせず文中に引用する際、オリジナルの改行位置をスラッシュで表わす。Barra doble(//)も可。
Me hablas, preguntas, / si nos podemos ver después / razones me sobran (あなたが私に話しかける、問いかける / でも後で会えないのなら / 理由は無駄になる。)

2.その他スラッシュの用法
1)Barra vertical (|) バーティカルバー
文中の区切りを示したり、スラッシュの代わりに用いられる。

2)Doble barra vertical (||) ダブルバーティカルバー
辞書などでは、いくつかの異なる意味や用法がある場合、ダブルバーティカルバーで区切りそれぞれの意味・用法を表記。

詩などではその読み方が大切だが、詩のリズムが崩れないよう1フレーズ内の「息継ぎ」を符号で記すこともある。

また言語学ではテキストの区切り、息継ぎを示すために用いられる。この際、大きなポーズはダブルバーティカルバー、軽いポーズはバーティカルバーで区別する。 Ramón se fue a trabajar.|| Ante de llagar a la oficina, | compró un periódico.(ラモンは仕事に出かけた。オフィスに着く前に新聞を買った。)


GUION (-)

ハイフンはダッシュより短い横線、混同しないよう気をつけましょう。また、スペインとのハイフンを表わす単語、ラテンアメリカでは単母音語として発音されるためアクセント記号なしでguionと表記され、一方スペインでは二重母音(gui-on)とみなしguiónと表記されます。また、この単語は劇や映画のシナリオという意味もあります。

1.用法
1)ひとつの単語が複数行にわたるとき、単語の区切りの後ろにハイフンを置き改行、事業に単語の残り部分が記される。この用法では、ハイフンは必ず行末に置かれ、決して行の先頭に来ることはない。

また、単語は基本的に音節で区切るようにすること。その際の注意点は次の通り。

‐2重または3重母音:区切らない。

‐母音で始まる単語:最初の母音は単独で表記しない。区切る場合は後続の節で行なう。

‐子音hが間にくる単語:hの前で区切らない(vehí-culo, adhe-sivo

‐子音x: 
xの後ろに母音がくる場合はxの前で区切る(bo-/xeo) 

xの後ろに子音がある場合は、xの後で区切る(ex-/tranjero

‐子音ch, ll y rr: ハイフンで区切らない。但し、接頭辞(ciber-, hiper-, inter-, super-) の後にrで始まる語は例外(inter‐/rail, hiper-/radial, super-/ renta)。

‐外来語はハイフンで区切らないほうがよい。

‐頭文字語・略語はハイフンで区切らない。但し、一般名詞に採り入れられている頭文字語は例外。(ov- /nis

‐ハイフンで結ばれている複合語が行末にあり、ハイフンで改行し2行にまたぐとき、行頭でハイフンを繰り返し後続の語を記す。これにより、元来、ハイフンで結ばれた複合語だとわかるようにする。(teórico- / -práctico

‐アラビア数字やローマ数字は区切らない。

‐ハイフンで区切る際、区切られた音節により誤解を招くことのないよう留意。例えば、
Chi-/cago. (シカゴ)
El Gobier- / no aceptó la negociación.(政府は交渉を受け入れた。)
Co-/mimos con los niños.(子供たちと食事をしました。)
Dijó que que-/ daría en casa.(家にいるだろう、と彼は言った。)


2)固有名詞に用いる
‐人名において、複合名をハイフンで結び名字と混同されるのを避けたり、2つの名字を結ぶため用いられる。
Juan-Marcos(男性名 フアン・マルコス)
Pérez-Galdós(名字 ペレス・ガルドス)


‐固有名詞を関連付けをする
Trasvase Ebro-Júcar(エブロ・フーカル川灌漑)
La final Nadal – Federer(ナダル対フェデラー決勝戦)
Gobierno de Castilla-La Manch(カスティーリャ・ラマンチャ州政府)


3)一般名詞に用いる
‐2つの一般名詞から構成される名詞
coche-cama(寝台車)

‐ふたつのコンセプトや状況の関連付け
kilómetros-hora(時速)
relación calidad-precio(品質・価格比較)
Dirección Norte-Sur(南北方向)


4)形容詞に用いる
‐地名形容詞
複合語を構成する単語を結び、関連付ける。構成語の独立性が保たれ、ハイフンは接続詞的な役割を果たす。また、初めの単語の性数は不変化で次の単語のみが性数一致を受ける。なお、各単語のアクセントは維持される。
Frontera luso-española (葡西国境)
Imperio austro-húngaro (オーストリア・ハンガリー帝国)
Relaciones chileno-argentinas (チリ・アルゼンチン関係)


一般的に、最初の単語はラテン語やギリシャ語の地名形容詞が用いられ、語尾は-oとなる。例えば、
hispano- (‘español’) スペインの
luso- (‘portugués’) ポルトガルの
anglo- (‘inglés’) イギリスの
germano- (‘alemán’) ドイツの
austro- (‘austríaco’) オーストリアの
franco- (‘francés’) フランスの


尚、二つの形容詞が融合した合成語には、ハイフンが使われない。また一単語であるため、語源にアクセントは尊重されない。
Ciudadano francocanadiense (フランス系カナダ人)
Artista italofrancés (イタリア系フランス人アーチスト)


‐一般の形容詞
一名詞に対し形容詞ふたつで修飾される場合、形容詞はハイフンでつなぐ。地名形容詞同様、2番目の形容詞のみが性数一致を受ける。
Estudio lingüístico-literario (言語・文学研究)
Clase teórico-práctica (論理・実習クラス)


最初の形容詞が単独で用いられず、次の形容詞に融合する場合、ハイフンは用いられない。
Desarrollo socioeconómico (社会経済的発展)
Radiación electromagnética (電磁波)


3)接頭辞に用いる
通常、接頭辞は語幹となる名詞に直接つくが、略語・頭文字語や大文字で始まる語につく場合は、ハイフンを用いる。
anti-OTAN (反NATO)
anti-Nazi (反ナチス)

また、ふたつの接頭辞が一つの語にかかるとき、語幹である単語の繰り返しを避け、最初の接頭辞の後にハイフンをつけ、次の接頭辞が語幹につく。
Ofrece un servicio pre- y postventa. (プレメンテナンス・アフターサービスいたします)

4)数詞などに用いる
アラビア数字やローマ数字を用い、期間や日付を示すとき。
las páginas 32-36 (32~36頁)
entre los siglos XV-XVII(15から17世紀の間)
19-7-2004 (もしくは19-7-04も可)
curso 1992-93
注: curso 1999-2000 は curso 99-00も可 但しcurso 1999-00 とはしない。


また、文字と数字を合わせた型番(MD-82)、種類(Autopista A-4 高速道路A-4号線)やタイトル(Barcelona-92 1992年バルセロナオリンピック)などもハイフンが用いられる。


エクスコムシステム ランゲージ サービス

スペイン語翻訳、スペイン語文書校正などのお問い合わせ先 : honyaku@excom-system.com

ELS は、USA 、スペイン語翻訳 ( 日西、西日、英西、西英 ) 翻訳、スペイン語校閲 ( スペイン語校正、添削、編集、リライト、プルーフリーディング )、ウェブデザイン等の総合サービス会社です。

スペイン語翻訳では品質、顧客対応ともに最高のスペイン語翻訳サービスをお約束します。
( なお、お支払いには日本国内の銀行口座をご利用いただけます )。また、スペイン語翻訳、スペイン語校正以外の英語翻訳、英文校正、多言語翻訳校正も承ります。

スペイン語一口メモ Moraleja

物語や寓話の筆者が伝えようとする教訓を意味します。

ここ数年、インターネットの普及で人生の教訓となるような話やユーモアたっぷりの読み物がeメールよって大量に配信されています。このうち、面白い読み物ではMoralejaがオチになっていることがよくあります。スペイン語圏の人々はかなりユーモアのセンスがありますが、語られるchiste(ジョーク)と同様、読み物でもそのユーモアのセンスが光ります。





エクスコムシステム ランゲージ サービス(ELS) Copyright 2008無断転載禁止。