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約物 (3)

プラカード
By Libertinus Yomango (CC)

COMILLAS(« »,“ ”,‘ ’,‹›)

スペイン語の引用符またはクォーテーション・マークは次の通り3種類あります。

« »   comillas angulares (latinas o españolas) 二重山括弧または屈曲型(ラテンまたはスペイン式)引用符 
“ ”   comillas inglesas 英語式引用符(ダブルクォート) 
‘ ’,   comillas simples シングルクォート


ダブルクォートやシングルクォートは引用文の前後上部に置かれ、屈曲型引用符(二重山括弧)は引用文の前後、行の中央部に位置します。スペイン王立言語アカデミーでは、印刷用テキストには一般に屈曲型引用符(二重山括弧)を使用、また、引用文内に会話文や語句が引用される際には、まずダブルクォート、さらにダブルクォート内の引用にシングルクォートという順で囲むよう推奨しています。(«...“…’…’..”...»)
また、引用符は引用文の前後にスペースなしで置かれます。また、スペイン語では引用文の後のカンマやピリオドなど句読点は引用符の後に(引用符内ではない)置かれます。日本語や英語などとは異なりますので注意が必要です。


1.用法
1)テキストや言葉の引用。
Dice la autora en su entrevista: «Después del éxito con mi primer libro, me ha costado mucho para publicar este nuevo libro». (女性作家はインタビューでこう述べている。「デビュー作の成功の後、この新作を出版するのにとても苦労しました。」)

引用文内でさらに引用符を用いる場合、次のようになる。
Dice la autora en su entrevista: «Después de lograr un “best seller” con mi primer libro, me ha costado mucho para publicar este nuevo libro». (女性作家はインタビューで述べている。「デビュー作がベストセラーとなった後、この新作を出版するのにとても苦労しました。」)

引用文が複数段落にわたる場合、引用文の文頭に左引用符、以降、各段落の始まりに右引用符(»)を置き、最終段落の文末(引用文の終わり)に右引用符で囲む。
但し、現在では、引用符を用いず引用部分の左マージンをさらに大きく取る段落を下げをする用法が一般的。

また、引用文中に地の文などが挿入される場合、挿入語句はダッシュで囲むが、引用は中断されないため、挿入句の前後に引用符は不要。つまり、引用文全体の始めと終わりに用いられるのみ。
«Es verdad —contestó ella—, no me acordaba». (「本当よ」と彼女は応えた。「覚えていなかったのよ。」)

2)小説などでは、登場人物の心中・思考などの独白に用いられる。
Me decía a mi misma: «Venga, déjate de llorar. Tienes que pensar en otra cosa». (私は自分自身にこう言っていた。「さぁ、泣くのは止めて。何か別のことを考えなければ。」)

また独白が数段落にわたる場合は、各段落の初めに右引用符(»)を置く。

3)不適切や本来の意味とは違う使われ方、皮肉を表わす、外来語、通俗的な表現などを用いる場合、該当する言葉や表現を引用符で囲む。
Comenta la cantante que grabar este álbum ha sido como un “parto”. (女性シンガーは、このアルバムのレコーディングは「お産」のようだったと語っている。)
Es tan "inocente” que no se entera de que su novia sale con su mejor amigo. (彼は「純情」すぎてガールフレンドが親友とデートしているのに気づいていない。)
El fabricante intenta liquidar su “stock”. (メーカーは在庫一掃処分をしようとしている。)
Se ve que Pedro tiene “pluma”(ペドロは「おかま」っぽくみえる。).
Parece que no le va muy bien en sus «negocios». (“ビジネス”のほうはあまり上手くいっていないようだ。)


4)用語や語彙を説明する場合、該当する単語を引用符で囲む。
La palabra “ordenador” es de origen francés: ordinateur. (「ordenador(コンピューター)」という単語は、フランス語の「ordinateur」が語源だ。)

5)言語学上の説明において、専門用語などを引用符で囲む。
La voz pluscuamperfecto está compuesta con los términos latines plus, ‘más’ , quam, ‘que’ , y perfectus, ‘perfecto’ (過去完了pluscuamperfectoという語はラテン語のplus, ‘más’ , quam, ‘que’ , y perfectus, ‘perfecto’から構成される。)

6)記事や詩、テキスト内の各章などのタイトルを引用する場合。
En el artículo titulado “Viaje al misterio de la vida” se explica cómo empieza la vida. (「生命の神秘への旅」と題する記事ではいかに生命が始まるか説明している。)

但し、本の題名の場合は引用符ではなく、斜体に装飾するのが一般的。(斜体の文章内では、逆に題名は文字装飾なし)

Crónica de una muerte anunciada es una de las novelas más importantes y populares de Gabriel García Márquez, junto con Cien años de soledad, la más reconocida internacionalmente. (『予告された殺人の記録』は、国際的に最も定評のある『百年の孤独』とともにガブリエル・ガルシア・マルケスの特に重要かつ有名な小説のひとつだ。)

2.その他句読点との併用
1)引用文(句)が挿入される文末の句読点は、引用符の後に置かれる。
¿De verdad le has dicho «vale»?(あなた、本当に彼に「OK」したの?)

2)引用文(句)に感嘆符や疑問符が用いられる場合、引用符内に置かれる。これは、引用符内の語句には、本文とは別に必要な句読点が使われるため。
«¡Qué ganas de que se acabe la semana!», exclamó desesperadamente.(「あぁ、早く一週間が終わって欲しい!」と絶望的に叫んだ。)

但し、引用文(句)がテキストの終わりに挿入される場合を除く。

3)引用文(句)が、テキストの終わりに挿入される場合、ピリオドは右引用符の後に打たれる。これは、引用符内に感嘆符や疑問符、3点リーダーが用いられている場合にも適用される。
«El número marcado no existe». Al oírlo, se dio cuenta de la estafa.(「おかけになった電話番号は使われていません。」それを聞くと、詐欺に気づいた。)
Le preguntamos al camarero: «¿qué hay de postre?».(私たちはウェイターに「デザートは何がありますか?」と尋ねました)


また、脚注がある場合、
‐引用されるテキストや語句全体に関する脚注は、右引用符の外側。«     »1.
‐引用符内の特定語にのみに関する脚注は、その単語の右上。
引用符内の最後の単語に関する脚注も同様、該当語の右上、つまり右引用符の前に置かれる。«     1».



PARÉNTESIS( )

スペイン語で括弧はparéntesisといい単複同型。文中で補足説明などの挿入に左右ペアで用いられます。括弧の前後には通常1スペース、左括弧に続く単語、また右括弧前の直前単語は符号との間にスペースを空けません。

1.用法
1)補足説明や修飾を文中に挿入する際に用いられる。カンマやダッシュによる挿入用法と似ているが、括弧を用いると挿入部の孤立感がより強くなる。そのためカッコ内にはしばしば平叙文が挿入され、主文との統語上の関連性は薄い。
El incendio que se declaró anoche (aún se desconocen las causas) obligó a evacuar a miles de personas. 昨夜、出火した火事(依然、原因は不明)で、数千人が避難を余儀なくされた。

2)日付や場所といったデータや詳細、略語の成り立ち、筆者や出典作品等々の挿入。
Guernica, el famoso cuadro de Picasso (1937), tiene como motivo el bombardeo de Guernica (Vizcaya). 有名なピカソの絵『ゲルニカ』(1937年)は、ゲルニカ(ビスカヤ)の爆撃をモチーフにしている。
La TDT (televisión digital terrestre) sustituirá por completo la televisión analógica convencional. 地上デジタルテレビジョン放送(TDT)は、従来のアナログ式放送に完全に置き換えられる。



3)文中の語句に、性数一致にあり得るバリエーションを付記する場合。この場合、括弧はスペースを空けず用いる。また、スラッシュを用いることも可。
Hay que indicar la(a) persona(s) que asiste(n) en la ceremonia. 式典に列席する人(達)を記さなければならない。
Se busca chico(a) para compartir piso. (ルームメイト募集)
Se busca chico/a para compartir piso.


4)テキストの書き写しなどの際、原文では略語や短縮された不完全な語句を省略せず表記する際、補足部分は括弧でくくる。この際スペースは空けない。但し、この用法では、丸括弧より角括弧([ ])の使用が好ましい。
pont(ifici) max(imo) 最高司祭

5)文章の引用の際、原文の中略は三点リーダーを括弧でくくって表記。この場合も、丸括弧より角括弧([ ])の使用が好ましい。
«Yo estaba dormida cuando el autobús chocó. (…) pero sí les puedo decir que las víctimas no sufrieron lo que imaginan que sufrieron.» 私はバスが追突したとき眠っていました。(中略)でも、想像されるような苦しみを犠牲者は味わわなかった、そう、これは皆さんに言うことが出来ます。

6)戯曲作品などで、作者のト書き、登場人物の傍白などを記述する場合。
María. ¿Qué te ha pasado?
Juan. (Negándose con la cabeza). Nada.
María. Pero te está sangrado. Déjame mirar. (Le extiende la mano).
マリア: どうしたの?
フアン:(首を横に振りながら)何でもない。
マリア:でも血が出ているわ。見せて。(彼に手を伸ばす)


7)箇条書きをする場合、行頭に記される文字や数字などを括弧でくくったり、右括弧のみを使って半括弧で閉じた後に、条文が続く。
Los solicitantes deben presentar la siguiente documentación:
1) Formulario de solicitud.
2) DNI o pasaporte.
3) 2 fotos de carnet. 
申請者は以下の書類を提出のこと
1)申請書
2)身分証明証、またはパスポート
3)証明写真2枚


8)数学や化学の演算において、括弧を用いデータのグループ化などが行なわれる。
(150 + 75) x (560 – 270)

2.その他句読点との併用
1)主文の節の区切りに相応する句読点(カンマ、疑問符や感嘆符)は括弧の外に用いる。
¿Cuántos países integran la UE (Unión Europea)?EU(欧州連合)に何カ国加盟しているか?
Las reuniones (la última duró casi cuatro horas ininterrumpidamente) se celebran en la sala de juntas. 会議(前回は中断なく4時間近く続いた)は会議室で行なわれます。


不必要に句読点を用いるべきではなく、とくに主語と動詞の間に括弧の挿入がある場合には、主語と述語がカンマで区切られたりしないよう気をつけたい。
間違い → Las reuniones (la última duró casi cuatro horas ininterrumpidamente), se celebran en sala de juntas. 

2)挿入文に疑問符や感嘆符が用いられる場合はカッコ内に表記される。
Llevan más de un año sin hablarse (¡qué cabezotas son los dos!) viviendo bajo el mismo techo. ひとつ屋根の下に暮らしながら、1年以上も(二人とも何という頑固者!)言葉を交わしていない。

3)括弧で囲まれるテキストのピリオドは右括弧の直後(括弧外)に記される。
De repente, desvió la mirada. (Parece que estaba a punto de llorar).不意に視線をそらした。(今にも泣きそうだ。)



CORCHETE ([ ])

角括弧またはブラケットは、一般的には括弧(マル括弧)に似た用法で、補足や追記を挿入するために用いられます。
丸括弧同様、挿入される語句の最初と最後の単語にスペースなし、符号の前には1スペースを空けて置かれます。終わり角括弧(右側)の後にピリオドやカンマなどの符号が打たれる場合はスペースを空けません。


1.用法
1)丸括弧で囲まれた引用部分で、さらに補足や注などが挿入される場合、角括弧が用いられる。
García Lorca, poeta y dramaturgo, (nacido en 1898 y ejecutado en 1936 durante la Guerra Civil Española [1936-1936]) coincidió en la Residencia de Estudiantes en Madrid (1918-1928) con el cineasta Luis Buñuel y el pintor Salvador Dalí. 詩人で劇作家のガルシア・ロルカ(1898年生まれ、スペイン市民戦争中[1936-1936年]処刑)は、映画監督ルイス・ブニュエルや画家サルバドール・ダリとマドリッドの学生寮(1918-1928年)で一緒だった。

但し、数学などの演算では逆となり、角括弧(=大括弧)が丸括弧(=小括弧)の外側に記される。

2)詩などでは、本来は一行でかかれるべきだがスペース上、単語が次行にまたがってしまう場合、改行された単語の初めに始め角括弧を記し、右寄せに揃える。



3)テキストの引用で、注や略された部分の補足、語句の挿入などなどあらゆる変更(原文に忠実でない部分)は角括弧で囲む。
Hay otras [obras] de esta misma época de las que no se conserva prácticamente nada. この同じ時代のもの(作品)はほかにもあるが、ほとんど保存されていない。
Subieron cue[s]ta con dificultad. [En el original,
cuenta] 彼らは苦労して坂を上った。(注:原文は「cue[n]ta(勘定・口座の意)」)

略語についてその省略部分を記す場合、略語と始め括弧のスペースは空けない。

4)言語学では、発音記号を表記する場合。
Japón [xapón] 

5)テキストの引用で、途中で原文の一部が省略される場合、三点リーダーを角括弧でくくり中略を示す。
Cuando acabó la película volví sobre mis pasos […] y me acerqué a mi restaurante favorito. 映画が終わると私はもと来た道をたどった(中略)、そしてお気に入りのレストランへ寄った。


2.その他句読点との併用
丸括弧と同様。



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スペイン語一口メモ “Entre comillas”

スペイン人などラテン系の人たちのジェスチャーは大げさで、話しながら盛んに手を動かすことが多いのですが、そんなジェスチャーの中でちょっと控えめなのが“Entre comillas”と言いながら見せるジェスチャー。

会話の中で、微妙なニュアンスがこもった表現(おもに皮肉)を言った後、Vサインをしながら両手を口元の高さに上げ、人差し指と中指をぴくぴく動かしながら、 “Entre comillas(「括弧付だけど・・・」)”.

男女問わず使われます。





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