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スペイン語の性 ・ 数の一致 (2)

鳥
By Brian Snelson (CC)

キーワードは「Palabras clave」か「palabras claves」? 海賊版は「copias pirata」か「copias piratas」?

2つの名詞によって構成される合成語では、2番目の名詞が形容詞のように最初の名詞に働きかける場合、通常1番目の名詞のみが複数形に変化する。例えば、

horas punta (ラッシュアワー)
faldas pantalón (キュロットパンツ)
ciudades dormitorio (ベッドタウン)
pisos piloto (モデルマンション)
coches cama (寝台車)
hombres rana (フロッグマン/潜水夫)
niños prodigio (天才児)
noticias bomba (ビッグニュース)
sofás cama (ソファベッド)

但し、第2名詞が形容詞同様に機能する場合は、数の一致を受け第2名詞も以下の通り複数に変化する。通常、これはserやestarを使った繋辞動詞文に言い換えたとき第2名詞が第1名詞の属詞のように機能する場合に該当。

Estados miembros(加盟国)
  →Esos Estados son miembros de la UE(これらの国家はUE加盟国だ)
Países satélites(衛星国)

  →Estos países fueron satélites de la Unión Soviética(これらの諸国はソ連の衛星国だった)
Empresas líderes(先駆企業)
  →Esas empresas son líderes en su sector(それら企業はその分野での先駆的存在だ。)
Palabras claves(キーワード)
  →Estas palabras son claves para entender el asunto(これらの言葉はテーマを理解する鍵である)
Copias piratas(海賊版)
  →Las copias requisadas son piratas(徴発されたコピーは海賊版だ。)

表題のpalabras claveまたはcopias pirataは、以下のように解釈次第でpalabras clavesやcopias piratasとするのも可能、かつ正しい表現である。
1) 最初の例ではclaveやpirataは同格名詞のように機能するのため複数形にならない。
2) 次の例では、第2名詞が前の名詞にかかる形容詞として(claveは「根本的」という意味で、またpirataは「不法」もしくは「未認可」という意味をもつ)作用しているため、修飾する名詞の数にあわせ数一致を適用。


Los ciudadanos y las ciudadanas(男性市民と女性市民)、los niños y las niñas(男児と女児)

表題のように男性形と女性形を分けた二重の言い回しは不自然であり不要。人間や動物など生物を表わす名詞では、性別にかかわらず同類のグループ全体を指すときは男性形にするのが一般的。

Todos los ciudadanos mayores de edad tienen derecho a voto.(成人である市民はだれでも選挙権を有する。)

尚、女性形との併記は、両性の叙述があえて重要である場合のみ用いられる。

El desarrollo evolutivo es similar en los niños y las niñas de esa edad.(発育はその年齢の男児および女児において似通っている。)

現在、男性形と女性形の二重表記にする傾向があるが、これは言語学外の理由に基づくもの。逆に性・数一致などの問題を生み、文章の作成や読解を不要に複雑にすることもあるため、このような繰り返しは避けるほうがよい。

男性形による総称的用法は、男性・女性の区別をはっきりさせずに表現する用法。また、たとえ集団を形成する女性の数が男性を優っていても男女混成の同類集団に女性形を使うのは間違い。例えば、los alumnos。男女生徒の混合グループを示す場合、女生徒の数が男子のそれを上回っていても男性形になる。


略語-las ONG、unos DVD

スペイン語では、略語は書き言葉で数変化しない。つまり、ひとつ以上を示すときもその表記は変わらない。複数形は次のように挿入される一般単語のみに見られる。

varias ONG europeas (いくつかのヨーロッパNGO)
unos DVD (DVD数枚)
los PC

従って略語が複数であることを明記したい場合、次のように略語に限定詞を加えて用いるとよい。

La medida ha sido apoyada por diferentes ONG del país.(対策はその国の様々なNGO団体の支持を受けた。)
¿Con cuóntos PC portátiles podemos contar?(ノートパソコンを何台入手できるか?)
Tengo muchos CD de este tipo de música.(このジャンルの音楽のCDを私はたくさん持っている)

注:PC’s, ONG’s, PCs, ONGsはX。英語を真似て小文字のsを(アポストロフィー付き・無し)略語の後につけ複数形にする用法は避けること。


El agua, esta agua, mucha aguaについて

名詞aguaは女性名詞だが、最初の文字/a/にアクセントのある([água])ため注意が必要。この種の単語は単数形の場合、定冠詞は普通の女性形に用いられるlaではなく男性形定冠詞elが使われる。この規則は名詞の直前に定冠詞が来る場合に適用される。

el agua (水)
el área (エリア)
el hacha (斧)

但し、定冠詞と名詞の間に別の単語が挿入される場合、この原則はあてはまらない。

la misma agua (同じ水)
la extensa área (広範なエリア)
la afilada hacha (研いだ斧)

また、これらの単語は女性名詞であるため、形容詞が後にくるときは形容詞は常に女性形に一致。

el agua clara
el área extensa
el hacha afilada
注:el agua claro, el área extenso, el hacha afilado はX)

一方、不定冠詞unaはアクセントのある/a/で始まる女性名詞の直前に置かれる場合、通常unの形をとる。

un área
un hacha
un águila

尚、次のようにunaを用いるのは間違いではないが一般的ではない。 (una área, una hacha, una águila)

尚、algunaningunaに関しては、いずれの用法も可。

1)語尾を省いて男性形に変化:algún alma, ningún alma
2)女性形に一致した一般原則を適用:alguna alma, ninguna alma

女性形の場合、指示詞este、ese、aquelまたはその他の限定形容詞todo、mucho、poco、otro等を伴うときは女性形に一致。

esta hacha (この斧)
aquella misma arma (あの同じ武器)
toda el agua (全部の水)
mucha hambre (ひどい空腹/お腹ぺこぺこ)

注:este hacha, aquel mismo arma, todo el agua, mucho hambreはX


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スペイン語一口メモ 標準語と各自治州公用語

スペインでは、標準語カスティリャ語castellanoのほか、バスク語euskera、カタルーニャ語catalán、ガリシア語gallegoなども各自治州公用語として使われています。これは方言ではなくれっきとした言語。言語学上その語源が異なるバスク語以外は標準語に似ているため概要は把握できますが、やはり理解には至りません。そのため、テレビのニュースなどで前述の言語でコメントがあるときは標準語訳がテロップで流れます。

ここ数年、パンフレットや説明書などの出版物、電話の案内アナウンス、ATM機などの端末装置で多言語対応サービスが導入が活発になり、スペイン国内ではこれらの言語への翻訳の需要も増えているようです。スペイン語学習者ならこのようなスペイン国内の言語事情に対する知識はあるはずですが、実際にスペインを旅行すると言語の多彩性を身をもって体験することでしょう。





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