スペイン語翻訳 ( 日本語 ⇔ スペイン語 )、ネイティブチェック、英西 ( 西英 ) 翻訳 、日西 ( 西日 ) 翻訳

トップページ | スペイン語圏の情報 | スペイン語翻訳に関するエッセイ | 直前のページに戻る

スペイン語翻訳の基本テクニック

家並み
By R.A. (CC)


私は現在スペイン語 - 日本語翻訳者として活動しています。スペインの大学院過程では英語 - スペイン語翻訳理論を学びましたが、スペイン語 - 日本語翻訳を行う際に、英語翻訳の知識は非常に役立っています。翻訳をする際辞書のみに頼ることはよくないと言われますが、西和辞書の場合には特に顕著です。日本語の文章構造をそのまま置き換え、辞書にある訳をそのまま使ってしまえば意味は何とか分かるけれども不自然でぎこちない表現になってしまいます。スペイン語 - 日本語翻訳の力を身につけていくには英語を含めた3ヶ国語の文章に多く接し、たくさんの表現を見つけていくことが大切です。文芸翻訳などでは言語の背後にある文化的なものが特に重要とされるため非常に難しいですが、実務翻訳では正確な情報を伝達することが一番の目的であるため、言語間の発想の違いを理解することによって正確な翻訳を得ることが可能であると思っています。英語 - スペイン語翻訳は日本語 - スペイン語翻訳より簡単そうに見えますが、実は落とし穴がたくさんあります。いくつか例を挙げながら、日本語も含めみてみたいと思います。

スペイン語翻訳における一対一の訳

単語の訳を一対一で覚えることは危険です。一つの言語においても一語一語には色々な意味や語感が含まれています。異なる言語間でも、同じような語に見えても実は異なる意味を持っている場合があります。ちなみにスペイン語で Falsos Amigos ( 直訳 : 偽の友 ) といいます。語感をとり間違えると翻訳では致命的です。例えば・・・
A sensible answer = Una respuesta sensata ( razonable ).( スペイン語の sensible は感じやすい、敏感という意味になります )
日本語では 「 賢明な答え 」 という意味です。
This food is very rich = Esta comida es muy pesada.( この rich は金持ち、豊かなという意味ではないので、スペイン語の rico はあてはまりません。ちなみにスペイン語の rico はおいしいという意味もあります )
日本語では 「 この食べ物は胃にもたれる ( 味が濃かったり、油っぽいため )」という意味です。

スペイン語の名詞の性別

アフリカまで15キロ
By Tortuga 767 (CC)
スペイン語には女性名詞、男性名詞があります。そのためスペイン語に訳す場合は注意する必要があります。例えば・・・
* my cousin ( 私のいとこ )- 男のいとこであれば mi primo、女のいとこであれば mi prima
* the friend ( 友達 )- 男友達 el amigo、女友達 la amiga
* our cook ( 私たちの料理人 )- 男性のコックであれば nuestro cocinero、女性の料理人であれば nuestra cocinera という具合に明らかにさせなければならないため、本文内で性別を見分けなければなりません。

スペイン語の複数形、単数形

英語にもスペイン語にも同じように複数形、単数形がありますが正確には用法は同じではありません。というのもスペイン語には冠詞や形容詞も複数形があるからです。例えば・・・
the white house - la casa blanca 白い家
the white houses - las casas blancas 白い家々( 日本語の複数形は畳語や~たち、~ら、などを使って表現することもできますね )
それから、日本語訳にはあまり影響をあたえることはありませんが、同じ意味の言葉でも英語では複数形を使い、スペイン語では単数形を使うものもあります。例えば・・・
the colonial days - la época colonial ( 単数形 ) 植民地時代
the stairs - la escalera ( 単数形 ) 階段

スペイン語の人称

英語の2人称 you は単数も複数も同じであるため、スペイン語にとっては曖昧になります。さらにスペイン語では同じ you であっても tú/usted の区別もあるためこの意味を本文から読み取らなければなりません。

スペイン語翻訳と時制

動詞の時制はスペイン語と英語は必ずしも一致しているわけではありません。例えば・・・
彼はコートを着ている。He is wearing a coat - lleva abrigo ( está llevando ではありません )
英語の単純過去はスペイン語では不定過去(点過去)、不完了過去(線過去)、完了過去(現在完了)へと場合に応じて訳されることがあります。

スペイン語の態 ( ボイス )

夕焼け
By Paulo Brandao (CC)
英語とスペイン語の動詞の態は異なり、スペイン語では直接法の代わりに接続法を使用することがあります。例えば・・・
What a pity our son is not here! = &Qué pena que nuestro hijo no esté aquí! ここに息子がいなくて残念だ。
If I were/was rich… = Si yo fuera rico… 金持ちだったらな・・・
ここでは詳しく触れませんがこの接続法はスペイン語文法の中で一番やっかいなものなのです。
英語では頻繁に受動態が使われますが、スペイン語では能動態に訳されることが多いです。
My bag was stolen. 直訳 : かばんが盗まれた。 = Me han robado el bolso. 直訳 : 誰かがかばんを盗んだ、という具合に。

以上大まかに挙げてみましたが、スペイン語は日本語、英語に比べはっきりとした言葉であることが分かります。実際にはこの細かく明瞭な文法は、長い法律文書などのスペイン語 - 日本語翻訳に大いに役立つのです。また、スペイン語 - 日本語翻訳研究はまだまだ英語 - 日本語翻訳より劣っているため、英語 - 日本語翻訳の知識を組み合わせると非常に役立ちます。ある時スペイン語の契約書を日本語に訳していたとき、los términos y condiciones という用語が出てきました。単語を一つずつ訳して 「 用語及び条件 」 などと訳しそうになりましたが、英語の terms and condition を思い出し、「 条件 」 と訳すものなのだと気付いたこともあります。

スペイン語 - 日本語翻訳、特に実務翻訳においては、日本語、スペイン語、英語の基本的な違いを理解し、それらを理解した上でうまく、それら3つの言葉の知識を組み合わせ、パズルのように文章を解読していき、自然な言葉に直していくことがスペイン語翻訳の基本テクニックであると私は思っています。


エクスコムシステム ランゲージ サービス(ELS)

スペイン語翻訳、スペイン語文書校正などのお問い合わせ先 : honyaku@excom-system.com

ELS はスペイン語翻訳 ( 和西、西和 ) 翻訳、英西 ( 西英 ) 翻訳、スペイン語ネイティブチェック、ウェブデザイン等の総合サービス会社です。

ELS にはスペイン語、日本語、英語、その他の外国語に精通する専門分野の翻訳のスペシャリスト、校正者が常駐しています。

ELS はあらゆる分野、例えば自動車、エレクトロニクス、機械、化学、科学、産業、電気通信、半導体、IT、技術、情報セキュリティ、ネットワーキング、ソフトウェア、特許、土木、建築から文学、医療、医学、法律、契約 ( 契約書 )、行政、政治、経済、金融、マーケティング、ビジネス、国際ビジネス、国際取引、歴史、社会学、観光、メディア、環境等、多岐にわたる分野のスペイン語翻訳をサポートします。

ELS にはスペイン語、日本語、英語、その他の外国語に精通する専門分野の翻訳のスペシャリスト、校正者が常駐しています。 ELSのスペイン語翻訳者および校正者は世界中におりますので、お客様のいかなるスペイン語のご注文にも対応できます。どこの国で通用するスペイン語にしてほしい等、ご希望のスペイン語がありましたらお気軽にお申し付けください。

スペイン語翻訳では品質、顧客対応ともに最高のスペイン語翻訳サービスをお約束します。
(なお、お支払いには日本国内の銀行口座をご利用いただけます)。また、スペイン語翻訳、スペイン語校正以外の英語翻訳、英文校正、多言語翻訳校正も承ります。


スペイン語一口メモ サッカーか野球か

スペイン語圏では、サッカーと野球どちらが人気があるでしょうか。スペインを含め、中南米で人気があるのはサッカーです。しかし 「 中南米は全部サッカー 」 と思うのは間違いです。中には野球のほうが人気がある国がけっこうあるのです。これらは、キューバ、ドミニカ共和国、ニカラグア、プエルトリコ、パナマなど、歴史的にアメリカの影響が強かった国です。





エクスコムシステム ランゲージ サービス(ELS) Copyright 2007無断転載禁止。