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日本語翻訳が孕む難しさ ・ 危険性についての一考察
( スペイン語エッセイの日本語訳 )

公園
By Jose Manuel Suarez (CC)


新しい電化製品を購入した。ワクワクしながら懇切丁寧な梱包をほどき、ピカピカの“メイド ・ イン ・ ジャパン”製品を取り出す。すてき!すごく洗練されている!きっと最新テクノロジーの賜物なのだ。このボタンの数!
取扱説明書をよく読んで、100パーセント使いこなさなくては。

当初の“ワクワク”は困惑へと変わっていく。取扱説明は勿論スペイン語で書いてあるのだが、まるで中国語でも読んでいるかのように、理解できない。日本語からスペイン語へ翻訳する際に、訳し忘れがあったのでは?と思ってしまう。それともこの機械をつくったロボットテクノロジーが、8言語の翻訳をしたから?

今度はもっと注意深く、-翻訳家のもつ性(サガ)だろうか- 腰を落ち着けて、厳しい目で読んでみる。思わず笑いがこみ上げてくる、おかしい!
思わずこれは・・と顔をしかめたくなるような表現がある。テレビの“お笑い”ギャグにそのまま使えそうな、インスピレーションの泉・・。

バスケット
By Richard Giles (CC)
こんなことにメゲてはいられない。文法は無視して、内容に集中しようとする。書かれていることを 「 憶測 」 で読んでみようと試みる。翻訳の形式的なミスを排除し、適切な表現に置き換えてみる。取扱説明書が理解できれば、購入したばかりのこの機械も動いてくれるに違いない。翻訳担当の責任者は“コト”を難しくして、購入者の“直感”の鍛鍛を狙ったのかもしれない。だとしたら、次回からはマニュアルさえ必要なくなるはずだ。

しかしながら、明確で適切な取扱説明が目的だったのなら、この意図は失敗に終わったと言わざるを得ないだろう。

私はかなり厳しい目で、話している。翻訳家という職業柄、多言語に翻訳された資料を読む際は、いつも細心の注意を張りめぐらせる。たとえ意図が読み手に伝わったとしても -勿論これが最終目的なのだが- 原文を正確に反映していなければ、最悪の場合筆者への冒涜にもなりかねない。

我々はいつも、マニュアルを読むことを習慣づけられてきた。マニュアルを理解し、家庭用電化製品やその他電化製品を上手く使いこなそうというわけだ。だがここで、翻訳前の原文 ( 取扱説明 ) の内容のみならず、我々が理解できるよう貢献してくれた翻訳家の「人となり」まで、推し量らなければならない、という。ここまでくると、マニュアルのような特殊な“手合い”の刊行物の「文学的」表現・言語学的問題について論じてでもいるかのようだ。

これまで言語を学び、プロとして言葉や翻訳の世界に従事してきた。これまでの経験を通し、テキストを他の言語に翻訳する難しさを更に強く感じる一方、自分がますます不寛容かつ批判的で、妥協性に欠ける人間になったように思えてならない。

「 テキストを他の言語に翻訳する 」 という作業は一見簡単なように見えて、実はひとつの 「 挑戦 」 なのだ。

目にする単語ひとつひとつの意味は分かるかもしれない。だが全体的な内容把握や筆者の意図の理解が不十分だったり、さらには対象となる“読み手”が誰なのか、知らないことが多々ある。ここに不確実性 ・ 疑問が生まれるのである。

ましてや文化的相違が大きな障壁となる場合、問題はさらに深刻化する。つまりは言語のみならず、文化における十分な知識を持つことが不可欠なのだ。

ビーチバレー
By Mike el Madrileño (CC)
原文を読み、理解・分析し、翻訳する。
翻訳物を読み、理解し、分析する。
原文 ・ 翻訳文の内容が同じであるか?日本人がオリジナルのテキスト ( 原文 ) から受けとるメッセージと、スペイン人読者が翻訳から受けとるメッセージは同じかどうか?答えが 「 イエス 」 であれば合格だ。
しかしながら、翻訳者は結果を知らぬままになってしまうことが多い。従って疑いの余地を残さないためにも、翻訳者にはハードな仕事が要求されてくる。

読者の皆さんへ。次に翻訳されたテキストを読む機会があったら、翻訳者なるものについて考えてみていただきたい。彼らの努力は評価すべきだ。だが寛容になってはいけない。
クレームをつけて、翻訳者を育てる一助となっていただきたい。彼らは間違いから学んでゆくのだから。

翻訳会社の方々へ。単語数のカウント・厳しい提出期限の設定を控えていただけないだろうか。ボリューム ・ 早さ重視をやめ、質の評価に努めていただければ、と願ってやまない。


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テニス
By Charlie Cowins (CC)
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スペイン語一口メモ 略語の言い方

UFO や AIDS など、日本語でもなじみの略語は、スペイン語では別の略語になり、全く違う発音になります。 UFO は、未確認飛行物体を訳した OVNI となり、オブニと呼ばれます。 AIDS も SIDA 、シダと呼ばれます。英語の略語がそのまま通用するわけではないのです。





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