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スペイン語翻訳 : 違和感が生じない翻訳文にするには

王様の釣り小屋
By Felipe Gabaldón (CC)


スペイン語翻訳で、「 スペインの ( あるいは例えばペルーの ) スペイン語でお願いします 」 と依頼され、そのとおりに地域別のスペイン語で和西翻訳ができる日本人翻訳者はどのくらいいるだろう。

正直なところ、たいていの日本人翻訳者は、自分が習った地域のスペイン語で訳して、スペインであるいはペルーで使われている言葉や表現を入れ替えてみるくらいしかできないのではないか。ネイティブチェックも、例えばスペイン向けの文書を高等教育を受けたかどうか疑わしい中南米出身のネイティブの友達に目を通してもらって、その人はとりあえず意味が通じるからOK出して、それでネイティブチェック済ませましたということにして。

それでも、一応意味は十分通じる立派なスペイン語翻訳文ができたので、ネイティブチェックに力を入れていない翻訳会社ではそのまま納品してしまうだろう。

ボート
By qbird (CC)
しかし、それを受け取った読み手としてみれば、「 これはこれでわかるからいいけど、なんかヘンだな 」 と、内心違和感を抱えながら読む事になる。

違和感だけで済めばいい。が、特にスペイン人の場合は中南米のスペイン語に対して拒絶反応が大きいと思うので気をつけたいところだ。例として、個人的な体験を暴露したい。

あれはかれこれ20年前。学校の夏休みに初めてメキシコ自由貧乏旅行をしてきた。休み明けのスペイン語のクラスで、「 ~を使って文を作りなさい 」 という課題がでて、メキシコで自分のスペイン語がけっこう通じて得意になっていた私は、自信満々に 「 ソカロ 」 という言葉を入れて堂々と発表した。ソカロとは、他の国ではプラサ、パルケにあたるような、スペインや中南米なら街の中心に必ずある、中央公園のことだ。

しかし、スペイン語の先生はスペイン人だったのだ。先生は、ソカロという言葉に過剰に反応し 「 それはスペイン語ではありませんね 」 とまで言い切って、怒り出した。なんでクラスの皆の前でそんなに怒られるのか・・・。

当時はまだまだ日本にはスペイン語を話す人が少なかった。スペイン語といえばスペイン、スペインが全てでそれ以外は異端、というような雰囲気さえ感じられる時代だった、というのはある。

その後、今からちょうど10年前、日本でスペイン人舞踏家たちに通訳する機会があった。しかし、スペイン人たちは「君のスペイン語は中南米のスペイン語だ」と、あからさまに嫌がる反応を示し、あげくには、やりたくない仕事は、通訳が中南米のスペイン語でわからないからやりたくないという態度に出る者もいた。

もちろん、気の良いスペイン人にも今までにたくさん会ったし、スペイン人が皆こんなかんじで嫌なやつばかり、というつもりはない。しかしスペイン人が中南米のスペイン語に示すネガティブな反応は、時代を超えて根強く残っているように思う。

あれから現在まで、いろいろな国で様々なスペイン語を話したり書いたりしてきたが、以上に書いた過去の経験から、スペイン語の違いには敏感になっており、スペイン語翻訳、通訳の際にも気をつけるようにしている。

一方、中南米のスペイン語圏では、どこのスペイン語だろうと、どこどこのスペイン語だねと指摘して笑いのネタになったりはするものの、スペイン人のように反発まではしない。新大陸は移民の大陸だから、旧大陸よりは何事にも柔軟性があるからか。

問題があるとしたら、中南米では教養が高い人が多いわけではないので、自分たちの国で使われている言葉でないとスペイン語ではないとみなされ、単純に、理解してもらえないということだ。理解してもらえないのでは、翻訳した意味がなく、翻訳者としては失格とまで言ったら言いすぎだろうか。

というわけで、日本人翻訳者で自分のスペイン語に相当自信がある場合でも、知らない地域のスペイン語に訳すときには、まずその地域の新聞をインターネットで読むなどしてそこのスペイン語になじみ、そしてできることなら地域別のネイティブチェックを受けたほうがいいだろう。違和感が生じないスペイン語翻訳文にするには、適切な人による最終的なネイティブチェックがとても大切なのだ。


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騎兵隊
By Oscar en
el medio (CC)
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スペイン語一口メモ 食べもの

同じスペイン語でも、言葉が同じでも国によって違うものを指すことがあります。例えば、Torta、トルタは、アルゼンチンではケーキのことですが、メキシコではサンドイッチのことで、中米ではミートボールのことを指します。Tortilla、トルティージャは、スペインでは卵焼きのことですが、メキシコ、中米ではとうもろこし粉の薄焼き、つまりタコスの皮のことです。旅行先では、レストランで注文する前に内容を確認したほうがいいですね。




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