スペイン語翻訳 ( 日本語 ⇔ スペイン語 )、添削、英西、西英、日西 ( 西日 ) 翻訳

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翻訳の妙 ー スペイン語翻訳考

海
By Andrew Larsen (CC)


スペイン語翻訳なる仕事に従事していると、本当に多くを学ぶ。
翻訳は難しく、面白く、奥深いものだ。スペイン語に関する知識は勿論のこと、日本語力・人生経験・そこから生まれる判断力・思考の柔軟性、さらには好奇心・探究心・忍耐が要求される。だがこれはスペイン語翻訳に関わらず、全ての語学翻訳の共通点だろう。

現在、ひとりの人間が収集できる情報量は、インターネットの発達により無限大に近づいた。そしてこの恩恵を大きく受けたのが、医療・科学、その他の専門分野翻訳ではないかと思う。今まで一部の人の専門知識であったものが、一般人の目に日常茶飯事的に触れるようになり、専門用語を検索し学ぶことさえ可能となった。

だがその便宜性と同時に、誤った情報の蔓延にも注意を払う必要がある。近年ブログ等の増大に比例し、必ずしも正しくない情報がインターネット検索の上位に登場するようになった。そしてここで必要となるのが、好奇心と“忍耐”。何にでも疑問と興味を持ち、インターネットを数多く閲覧し、可能な限り多くの情報を得る。そしてどれが正しい情報か“判断”し、ピックアップしていく。

私の経験からいえば、この一例が「人工透析器の取扱説明書」翻訳。恥ずかしながら日本語でさえその仕組みをはっきり理解していなかった私にとって、翻訳の仕事は「用語の理解・基礎知識の習得」から始まる。つまりインターネットを通して、人工透析にかかる情報を収集していく。自分の翻訳がひとの命を左右する、という究極の責任感。どの血管にどのチューブを接続するか、の記述には何度目を通したかわからない。

ポスター
By Rodrigo
Carvalho (CC)
次に興味深かったのが“サーカス・アクロバット団員の履歴書”。サーカス会場で次々と繰り出されるアクロバットのように、“彼らの得意とする技”の翻訳用語が頭に浮かべばよいのだが、そんなわけにないかない。スペイン人翻訳家の友人を始め、インテリスペイン人、イタリアでピエロをしていたスペイン人まで。手当たり次第尋ねてみるが、まるで手ごたえなし。ひょっとしたら彼らへの電話代のほうが高くついたかもしれない。スペイン語を母国語とする人々さえ知らない、雲をつかむような“超特殊専門用語”には驚きと戸惑い、苦笑を隠せなかった。

ところでスペイン語は世界20カ国の公用語である。日本国内でも文化や慣習の相違があるのだから、大陸をもまたぐ20カ国がもつ「脅威」は計り知れない。翻訳が辞書の助けのみでは不可能な所以がここにある。辞書にある意味ではしっくり来ないから、発想の転換をし違った言葉に置き換えること、つまりは臨機応変な翻訳を行う必要が度々でてくる。

さらには日本には寡少な概念も、翻訳時に苦労する点である。例えばスペイン語の“espontaneidad”、自発性・天然性などと訳する辞書が多いが、スペイン語から日本語への翻訳を行う際、自分を納得しきれないことがしばしばある。日本語ではパーフェクトに捉えられない民族的文化概念の一例ではないかと、私は思っている。

一方、フォーラムの翻訳もこれまた難解だ。一般人が参加するフォーラムには通常難しい単語は出てこない。だがその難しさは「彼らのスペイン語力」に起因している。教育水準もバラエティーに富んでいるから、スペイン語を正しく使えない人もフォーラムに多く登場する。さらにはスペイン語を母国語としない人たちまでもが参加するから、事態はさらに複雑になる。彼らの論点は把握できても、各フレーズの翻訳となると“至難の業・綱渡りの芸当”であったりする。

こうしたいくつもの難題を超えて翻訳の原案ができあがると、次は推敲作業。できる限り客観的な立場に立つため、日や時間を変えて「第三者の視点」から、何度も、何度も読み直す。原文テキストの内容を最大限に活かしながらも、いかにシンプルな表現にできるか、しっくりした文章にできるかに的を絞る。

翻訳業界では100%正しい翻訳はない、と言われている。事実、これまで受けた翻訳原文が100%正しく書かれていたことは一度もなかったから、うなずける。100%ではない原文に100%の翻訳を目指す、これが翻訳者のもつ終わりなき挑戦であり、試練なのだ。翻訳という、一見機械的で冷たい印象さえ受ける作業のウラには、各翻訳者の熱い探究心と情熱が隠れている。


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By Torcello Trio (CC)
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ELS にはスペイン語、日本語、英語、その他の外国語に精通する専門分野の翻訳のスペシャリスト、校正者が常駐しています。 専門分野とは、例えば自動車、エレクトロニクス、機械、化学、科学、産業、電気通信、半導体、IT、技術、情報セキュリティ、ネットワーキング、ソフトウェア、特許、土木、建築から文学、医療、医学、法律、契約 ( 契約書 )、行政、政治、経済、金融、マーケティング、ビジネス、国際ビジネス、国際取引、歴史、社会学、観光、メディア、環境等、の分野のスペイン語翻訳をサポートします。

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スペイン語一口メモ 「 子供 」 の言い方

スペイン語圏の中南米諸国では、「 子供 」 の言い方が国によって違います。例えば、メキシコでは 「 チャマコ 」、ニカラグアでは 「 チャバロ 」、コロンビアでは 「 チノ 」、チリでは 「 グアグア 」といいます。ちなみに、最後の 「 グアグア 」は、キューバやドミニカ共和国では、バスのことを指します。そういえば、子供もバスも、「 グアグア 」 とうるさい音をたてますね。





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