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世界の諸言語の中のドイツ語

3色旗
By Dario Sarmadi (CC)


現代の世界にはどれだけの数の言語があるのでしょうか。これは厳密に考えると正確な答えを出すのが大変困難な問題なのですが、現在出回っている言語学辞典などではこの数は3000とも4000とも言われています。私たちは普通世界の言語というとある国の名前と結びついた言葉、例えば英語(「英」はイギリスを表すとするとこれは「イギリス語」)や中国語そしてわたしたちの日本語を思い浮かべますが、現代の世界に存在している国の数は百数十カ国にすぎません。ということは、現代の世界に存在する言語の大部分は特定の「国名」と一対一で対応するものではなく、ひとつの国の中に複数(場合によっては多数)の言語が併存していたり、その反対にひとつの言語が国境を越えて複数の国家領域で使用されていたりするケースが非常に多い、あるいは、このようなケースの方がむしろ普通であって、ある一つの言語の使用領域が現在の世界に存在する国境線と一致しているケースのほうが(仮にあったとしても)極めて例外的だということになります。
 
言語の使用領域と現在の国境線のこのような不一致をさらに複雑にする次のような事情も考えなければなりません。言葉はもともと人々が日常生活のなかで意思疎通や情報交換のために用いてきたものですので、言葉が出来てから長い間の人々のこのような活動の範囲にその使用範囲は限定されており、この使用範囲を超えると別の言葉が使用されていました。歴史的に見れば一般的に人々の日常的な同一言語使用領域は、近代になってその原型が形成されてきた現在の国境線に囲まれる範囲よりもはるかに狭いものでした。このために、現在ではひとつの国家の中で使用されるひとつの名称でくくられる言語にも、実は様々な方言が存在しているのが普通です。日本語は日本の国境の外では通用する地域は事実上皆無と言ってよいやや特殊な言語に属しますが、しかし、その日本の国内では領土の全体で均質な日本語が使用されているかというとそういうことはありません。このことは、沖縄、関西、東北、北海道などの方言を思い浮かべてみればすぐに納得されます。これらの地域で育った人々がそれぞれの方言で話したとすると、同じ日本国内であっても意思疎通にはかなりの困難がともなうであろうことは容易に想像できます。

ステンドグラス
By Miheco (CC)
日本のような島国ではなく国境線の大部分が陸続きになっているドイツでも、このような事情は基本的に同じですが、しかし、陸続きで多くの言語が接しあっている地域では言語間の相互干渉は島国の場合よりも大きくなることは容易に想像できます。実際、ドイツでは南部・中部・北部に加えて東部と西部に、同じドイツ語(このようなまとめ方自体が相対的・暫定的なものに過ぎませんが)といっても様々に異なる方言が存在しています。さらにドイツ語は現在のオーストリアとスイスの中北部(総人口の7割近く)それにリヒテンシュタインでも使われています。これらのドイツ周辺の諸国で使用されているドイツ語にもドイツ国内での「さまざまな」ドイツ語とは異なる地域的な相違が存在しています。そして、ドイツ語にはこれら以外にいわゆる「ドイツ語圏」と呼びうる地域は存在せず、大陸内であるという点を除くと言語圏の在り方は日本に似ているとも言えるでしょう。しかし、このように言語圏自体はあまり広くなくても、その内部の居住人口は上記諸国を合わせると1億人近くになり、言語人口数の点からは世界の全言語のなかで日本語と10位あたりの地位を争っているという状況です。意外なことに、ヨーロッパ内でもいくつかの国で使用されており英語と並んで世界中に広い言語圏をもつフランス語は、言語人口の点では日本語はもちろんドイツ語にも及ばないのです。これには、フランス本国の人口がドイツに比べてはるかに少ないことに加えて、世界中に広がるフランス語圏に大きな人口を擁する地域がないこと、さらには旧植民地のなかにしだいにフランス語が使用されなくなってところがあったり、近年のグローバリゼーションの時代に英語の影響力に圧されていたりすることが要因として考えられます。近過去・近未来のドイツ語人口の動向にとっては、もちろんこのような要因は存在しません。


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ドイツ語一口メモ

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By Patrik Tschudin (CC)
19世紀ドイツの最大のオペラ作曲家のワーグナーは、自らのオペラを「楽劇(Singspiel)」と呼びました。17世紀のモンティベルティ以来の近代ヨーロッパのオペラは、一定の台本に音楽(声楽)を乗せて作られる「物語」と「音楽」の結合でしたが、実態は物語が美しい音楽やアリアを乗せるための単なる入れ物として利用され物語としては実につまらないものも多くあり、逆に劇中のセリフや筋の進行の方に重きが置かれているものもあり、オペラは文学と音楽の間を揺れていたといってよいでしょう。一般的に言えば、前者はイタリア・フランスのオペラの傾向であり、後者はドイツ・オーストリアのオペラの傾向を表しています。ワーグナーは古代ゲルマンの伝承物語を題材に自らがスクリプトを書き(オペラ作曲家としてはこれは極めて異例のことでした)、これに自らが作曲を行いました。「ニーベルンクの指輪」四部作をはじめとする彼の大規模な「オペラ」はすべて、文学的題材による演劇的要素と器楽・声楽による音楽的要素の完全な融合を目指した、総合芸術としてのコンセプトに基づく「楽劇」として作られました。  



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