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ドイツ近代史

光
By Fugm 10 (CC)



伝統的な領邦国家のシステムが存続していたドイツは17世紀 ・ 18世紀に市民革命を経て近代的な国民国家としての展開を遂げつつあったイギリスやフランスに比べ、国民国家形成の課題を19世紀にまで持ち越し、これに伴って産業の近代化においても大きく出遅れていた。後発性を基本的な特徴とするドイツは19世紀以降の近代史の過程で目まぐるしい変遷をたどることになった。

フランス革命後長く続いたナポレオン戦争が終わった後、メッテルニヒの主導の元に開催されたウィーン会議でその後のヨーロッパ政治の体制が確立し(ウィーン体制)ヨーロッパの国際秩序が形成された。この国際秩序の下でドイツはドイツ関税同盟を結成したり、フランクフルトでの初の国民議会を開催するなど、ようやく急激な産業化の過程に入り産業革命が急速に進展しその担い手としてのブルジョア階級が台頭するようになった。こうした動きの延長線上に1848年革命が展開された。

サッカー観戦
By Fuad (CC)
しかし近代国民国家としての統一を達成しヨーロッパ世界において真に列強の仲間入りをすることが可能になったのは、普仏戦争に勝利したのちにフランスからの賠償金を得てドイツ帝国が成立してから後の事であった。この過程で大きな役割を果たしたのが、鉄血宰相と呼ばれたビスマルクであったが、この体制の下でドイツは宰相が大きな権限をもち半ば独裁的な政治が行われ、議会は形骸化した。ドイツ統一の経過やその後の強権的な体制は、後の第一次世界大戦の遠因にもなったと言われる。

19世紀末にはドイツはアメリカと並んでイギリスを凌駕する経済大国となっていた。しかし、このような経済発展を支えるための植民地を持たず国内市場も狭小であったドイツは、他の先進諸国がすでに獲得していた植民地を後から強奪する植民地再配分政策に訴えざるを得なかった。
こうして世紀転換期の帝国主義的な世界政治・経済の動きのなかで、第一次世界大戦が勃発したが、19世紀末からのドイツ経済の急速な伸長はその基本的な要因の一つを形作った。

敗戦後のドイツは歴史的なハイパーインフレーションに見舞われるなど、大きな混乱を経験した。また、半世紀前の普仏戦争の歴史的な怨恨を残すフランスの主導で成り立った戦後のベルサイユ体制の下での過酷な賠償支払いにドイツ経済は苦しむことになった。また、政治的には一時ドイツ社会民主党が政権を掌握し、その当時までの世界でもっとも民主的と言われたワイマール共和政が成立した。

1920年代にドイツ経済は敗戦の痛手から立ち直り目覚ましい復興を遂げていったが、1929年のアメリカ発の世界恐慌の影響により大きな打撃を被った。第一次大戦の敗戦に伴う領土の割譲や漠大な賠償支払いによる不満が国内各層に鬱積していたドイツでは、このような情勢により国内政治にも大きな変動が起きた。各地で暴動が発生し、共産党とあらたなファシズム勢力を率いるヒトラーのナチとが共に勢力を伸張させ、やがて、ナチが政権を掌握し、共産主義者とユダヤ人に激しい弾圧を加えて、国民投票によって総統に就任したヒトラーは国内に独裁体制を敷いた。

ヒトラーの下でのドイツは同様の政治体制の下に周辺諸国に侵攻していたイタリア・日本とともにポーランドやオーストリアに侵攻を開始し、第二次世界大戦が始まった。

しかし、ソ連が連合国側に立って参戦すると次第に戦局は枢軸国側に不利に展開し、ベルリン空襲の中でヒトラーは自殺しドイツは降伏した。戦後ドイツは連合国4カ国によって分割統治され首都ベルリンそのものも二分されることとなった。大戦後、連合国側の一員であったソ連とその他の諸国のあいだの対立(いわゆる東西対立、冷戦)が表面化すると、ドイツは東西に二分され、ここに戦後長く続いた資本主義のドイツ連邦共和国と社会主義のドイツ民主共和国としてヨーロッパにおける東西冷戦の象徴的な存在となった。

しかし、1970-80年代から顕著になってきたソ連をはじめとする東側諸国の政治・経済システムの不調のなかで、ついにこの分断を象徴するベルリンの壁が1989年に市民の手により取り壊され、続いてドイツの統一が実現した。

ただし統一といっても西側に東側が併合されたといったほうが実態に近いと思われる。ここに、約半世紀ぶりにヨーロッパの中心部に最大の人口と経済力を有する統一ドイツが復活したことになる。現今のユーロに象徴されるヨーロッパの経済統合の動きもこの新たなドイツの存在が大きな動因となっていることは間違いないと思われる。

しかし、半世紀近くにわたる分断の爪跡は深く、統一から20年近くが経とうとしている今日でも、全体としての経済パフォーマンスの相対的な好調にもかかわらず、なお国内には様々な部面で旧東西地域間の格差や隔離という状況は解消されていないと言われる。


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ドイツ語一口メモ

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ドイツ語は名詞に男性・女性・中性の区別がありそれを一つずつの名詞について記憶しなければなりません。また、それぞれの名詞が話し言葉であれ書き言葉であれ文中に置かれた位置によって4つの格(主格・所有格・与格・目的格――現在では単純に1格・2格・3格・4格と言うようですが)の形をとり、しかも、この形がそれぞれの名詞の性によって若干異なります。それぞれの名詞がそれ固有の性を「持つ」ものと考えると、それを記憶するのは大変なことのように思われますが、しかし、性がそれぞれの名詞の属性の一部でありその名詞の使用と切り離せないものとしてある名詞と特定の性が結合している実際の使用に慣れてくれば自然に習得されるものです。



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