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日本の近代化とドイツ

宮殿
By Wolfgang Staudt (CC)


「近代化」とはまず第一には、近代資本主義の成立による高い生産力の実現とそれに裏づけられた豊かな物質的生活、そして、政治システムとしては封建制末期の絶対王制にとってかわる三権分立を基礎とする近代民主主義制度の確立を意味します。実際には、このような政治と経済の歴史過程は両方がセットになって進行したのではなく、相互に前提となり結果となって補強しあいながら進展したといった方がよいでしょう。このような近代化は世界的な規模ではヨーロッパ地帯ではじめて起こったことですが、しかしヨーロッパの内部では地域によって大きなばらつきがありました。西ヨーロッパで近代化の過程を先陣切って邁進したのはイギリスでした。そしてその対極に位置していたのがドイツでした。
 
封建時代のヨーロッパではドイツはむしろ中心部、イギリスは周辺部に位置していましたが、このことが却ってその後の経過に中心部が遅れ周辺部が先に進むという興味深い結果をもたらしました。
 
ドイツでは、イギリスですでに産業革命が完了していた19世紀の前半に至っても中世以来の名残である小邦割拠の状態が続いており、このことが近代的な生産力の展開ひいては近代化そのものに対して大きな障害となっていました。しかし、イギリスやフランスといった近隣の先進諸国からの圧力を受けて、ドイツでも次第に改革の動きが出てきましたが、これを象徴するのが、1833年に結成された「ドイツ関税同盟」と普仏戦争勝利による賠償金を梃子とした1871年の近代的な統一的国民国家としての「ドイツ帝国」の成立です。この時代、日本はアジアのはての地でちょうど幕末から明治初年というやはり近代化過程の黎明期を迎えていました。しかし、日本は徳川幕府の鎖国政策のために長期にわたって外の世界とりわけ先進地域であったヨーロッパやアメリカとは断絶状態にあり、鎖国の時代に近代化を大きく進めたこれらの諸国に大変な遅れをとっていました。日本に武力をもって開国をせまり明治維新のきっかけを作ったのはアメリカでしたが、この当時の欧米諸国の中で日本の置かれていた立場にもっとも近かったのはドイツでした。
お城
By Sergio (CC)

明治政府はその成立の初期からドイツを範として日本の近代化を推進する方針を意識的に進めました。その理由は、一つにはドイツが皇帝の強い政治権力を軸とした政治システムをとっていたことです。ドイツと同様に当時の先進国であったイギリスやフランスに急激に後からキャッチアップをして近代化を達成するためには、強力な国家主導体制が必要でした。このような日本にとってイギリスやフランスのような民主主義的傾向の強い政治システムは不向きだったのです。第二の理由として考えられることは、この当時のドイツの急激な経済発展でした。ドイツの経済発展はそれ以前のイギリスのそれとはやや異なって、鉄鋼・石炭・化学という重工業を中心とするものでした。こうした産業には高度の科学技術と膨大な投資資金が必要とされ、いずれも民間の主体にとっては過大な力量(科学技術の組織的な導入、教育制度の整備、大量の資本集中)を要し、民間の経済主体には荷が重過ぎ国家の介入が不可欠でした。
 
また、近代化のためには法整備も重要な前提となりますが、日本の明治憲法はプロイセン憲法を模範として起草されました。憲法に限らず民法や刑法も同じようにドイツの法律から強い影響を受けて制定されました。
 
このようにドイツは19世紀の日本の資本主義化の発端から日本社会に大きな意味をもったのです。


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ドイツ語一口メモ

気球
By Eric Wüstenhagen (CC)
ドイツは第二次世界大戦後長い間分断状態にあり、その間「東西両ドイツ」の首都はベルリンとボンでした。現在ではドイツの首都はベルリンですが、旧東独時代のベルリンに存在していた空港は規模が小さく、同じ時期に旧西ドイツの経済の中心地として大きく発展したフランクフルトの空港がドイツ最大の国際空港となっています。こういう経過から、現在ドイツの首都ベルリンに例えば日本から行こうとすると、他のほとんどの諸国の場合のように直接首都の空港に乗り入れることができず、フランクフルトなどの主要空港を経由してアクセスすることになります。このような事態はドイツの国際関係にとってのハンデイとなっており、現在現有の空港の拡張工事が行われており、近いうちに日本からでもベルリンに直接乗り入れることができるようになるようです。  



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